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チーズケーキ研究

クレームダンジュ、クレメダンジュ(Crémet d’Anjou)とは? 歴史と特徴を解説

クレームダンジュとはチーズケーキ研究

たびたび見かけるクレームダンジュ(もしくはクレメダンジュ)とはいったいどんなスイーツなのか?

要点をまとめると以下のとおりになる。

  • フレッシュチーズとメレンゲ、生クリームなどを混ぜて水切りして作るレアチーズスイーツ
  • 1900年頃にフランスのアンジュ地方で生まれたフランスの伝統菓子
  • ムースのようなしっとりした舌触りが特徴、ベリー系のジャムと合わせるのが一般的

本ページではクレームダンジュについて、その歴史や特徴などを詳しく解説していく。日本でクレームダンジュを購入できるお店を紹介しているので、食べてみたいと思った方はぜひご覧いただきたい。

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【レシピの特徴】フレッシュチーズとメレンゲを混ぜて、水気を切ったレアチーズスイーツ

むさしの森珈琲 フレッシュイチゴのクレームダンジュ (3)
▲むさしの森珈琲 フレッシュイチゴのクレームダンジュ

クレームダンジュ、もしくはクレメダンジュ(Crémet d’Anjou)は上記画像のようなスイーツである。

これはフロマージュブランというフレッシュチーズを使い、生クリームやメレンゲなどを混ぜ合わせ、水分を抜いたものである。ただし厳密なレシピはなく、日本で見られるクレームダンジュは、クリームチーズやカッテージチーズ、ヨーグルトを使っているレシピがほとんどである。そもそもフロマージュブランが手に入らないので他で代用せざるをえない。焼かないチーズケーキという意味ではレアチーズケーキの一種だといえる。

日本でもレシピは一般的に広まっていて、すでにクラシルにもある。

クレームダンジュのレシピ

【味の特徴】ふんわりした舌触りと乳製品の乳味を楽しむスイーツ

成城石井 クレームダンジュの写真 (6)
▲成城石井のクレームダンジュ

味はさっぱりしていて食べやすい。フレッシュチーズという熟成させないタイプのチーズを使用するので、臭みやクセもなく、塩味も弱い。やんわり感じられる酸味とフレッシュチーズや生クリームの乳味が味の主役となる。

クレームダンジュはラズベリーやストロベリーなど、ベリー系のジャムをトッピングする場合が多い。これはクレームダンジュそのものの味がシンプルであることを意味している。簡単にいえば、クレームダンジュだけでは味気ないからジャムとトッピングする例が多いのだ。

最大の特徴はおそらく、ムースのようなやわらかい舌触りだろう。メレンゲや生クリームと合わせふわっとした舌触りは、クレームダンジュに特有のものである。クレームダンジュはこの舌触りとフレッシュチーズの乳味を楽しむためのスイーツだといえる。

【歴史】1900年頃にフランスのアンジュ地方で生まれた

お菓子の由来物語』によるとクレメダンジュは、1900年頃にフランスのアンジュ地方で生まれたスイーツであり、もともとはフレッシュチーズではなく、生クリームと卵のみで作っていた。

cremet=クリーム、d’anjou=アンジュ地方の。1900年頃、 酪農家がハバット(パターを作る機械=撹拌機)を使いクリームをこねる過程で、機械のプロペラやまわりに付着した クリームをかき集め、ソースをかけてデザートとして食べたのがはじまりだとされる。現在は、フロマージブランというチーズを使うのが一 般的であるが、昔は生クリームと卵白のみで作っていた。1920~30年代頃は「クレメダンジュ」 売りの少女がカゴに入れ、街で売っていたという。

お菓子の由来物語 猫井登

またフランスのアンジュ地方にある「Crêmetd’Anjou」という名前のレストランのWEBサイトでは、1890年に生まれたものであると紹介されている。(参考:レストランのサイト

このクレメダンジュ(Crémet d’Anjou)は、アンジュ生まれの美食評論家キュルノンスキー(Curnonsky)が、1921年に自身の著書のなかで「神々のごちそうだ( Le crémet angevin est un régal des dieux.)」と絶賛したという話がある。(参考:Wikipedia -Crémet d’Anjou

ちなみに「Crémet」はクリーム。「Anjou」はフランスのアンジュ地方を指す。また中間の「d’」はフランス語の前置詞「de」を略したものである。「Crémet d’Anjou」は直訳すれば「アンジュのクリーム」になる。日本語表記は発音に沿う形で「クレームダンジュ」もしくは「クレメダンジュ」となることが多い。「クレメットデアンジュ」とは表記する例は見たことがない。

またフランス語表記にも二通り見られる。基本的に「Crémet d’Anjou」と記載することが多いが、「Crémet d’Angers」と表記する例も見られる。『フランス伝統菓子図鑑』よると「Angers(アンジュ)」は都市名であり、「Anjou(アンジュー)」は旧地方名である。歴史的には「Crémet d’Anjou」のほうが古いとでは説明されている。

また「天使のクリーム」「天使のチーズケーキ」と呼ばれることがあるが、これは「anjou(アンジュ地方)」を「天使」を意味する「ange(アンジュ)」という言葉にかけて呼ぶようになったものだと考えられる。

海外のインスタを調べてみるといくつか画像を見つけられる。それほど多くはなく、一般的なものではないようだ。

日本では2005年にはネットで存在が確認できる

日本では2005年にはすでにネットでレシピが公開されていたことが確認できる。しかもそのサイトには「定番スイーツのひとつ、クレームダンジュ(クレメダンジュ)」と冒頭に説明がある。2005年時点ですでに定番のスイーツとして存在していたようである。

Twitterが一般的になりはじめた2013年頃には、すでに「クレームダンジュ」に関するツイートがたくさん見受けられた。あまり話題になることはないが、一部のレストランやケーキ屋などでは昔から販売されている、まさに定番スイーツであると考えられる。そもそもフランスでは1900年代から存在スイーツなので、日本でも感度が高い菓子職人が商品化している可能性は十分にあるだろう。

2005年にAllaboutで公開されたクレームダンジュのレシピ

ちなみに以前は、チーズケーキ専門店のチーズガーデンや、回転寿司のかっぱ寿司が販売していた。

クレームダンジュが買える店・食べられる店

さてここからは現在、クレームダンジュが買えるお店を紹介する。

【成城石井】のクレームダンジュ あまおう苺ジャム入り

2021年、もしくは2020年の終わり頃からかもしれないが、成城石井が「クレームダンジュ あまおう苺ジャム入り」を販売している。テレビ番組でも紹介されたそうで一時話題になった。

こちらはクレームダンジュにベリー系のソースのトッピングという定番の組み合わせである。全国にある成城石井で購入できるようなので、数少ない手軽に買えるクレームダンジュである。

【チーズケーキガーデン】のクレームダンジュ

まだ実際に食べていないが、情報だけ掲載する。「御用邸」のチーズケーキでも有名なチーズガーデンが一部の店舗で販売しているチーズアソートというメニューがある。このメニューにクレームダンジュが含まれている。

チーズガーデンの公式サイトはこちら

【むさしの森珈琲】のフレッシュイチゴのクレームダンジュ

むさしの森珈琲は、すかいらーくグループが運営するカフェである。こちらにもクレームダンジュがある。

なかにイチゴのソースが入っており、また表面にイチゴとミントのトッピング、さらに別添えでラズベリーのシャーベットまである豪華仕様だ。水気が少なくて口当たりが良く、筆者としてはここのクレームダンジュが一番好きだ。

むさしの森コーヒーの公式サイト

【パティシエ・シマ】のCreme Anjou(クレームアンジュ)

東京麹町にある人気の洋菓子屋「パティシエ・シマ」はクレームアンジュという名前で、クレームダンジュのようなスイーツを販売している。

こちらはネットでも取り寄せができるので、パティスリーのクレームダンジュが食べてみたいという方はぜひ注文してみてほしい。

パティシエシマの詳細

【銀のぶどう】のかご盛り白らら

銀のぶどうは、シュガーバターの木や東京ばなななどのブランドを持つグレープストーンのブランドである。この銀のぶどうは、かご盛り白ららという、クレームダンジュによく似たチーズスイーツを販売している。

こちらはクレームダンジュを参考にしたとはまったく明記していないが、フレッシュチーズを水切りしたスイーツと説明しており、製法はクレームダンジュとそっくりだ。また味や風味、口当たりなどもクレームダンジュにそっくりである。クレームダンジュ的なものであることは間違いない。

銀のぶどうの詳細

この記事で紹介した以外にも、クレームダンジュを販売しているお店はまだまだたくさん見つかると思う。SNSで検索するとたくさん見つけられるので、ぜひ検索してみてほしい。

おわりに

成城石井が販売したことで、筆者はクレームダンジュの存在をしったが、深く調べてみると日本では20年前から販売しているお店があった。おそらくもっと昔から販売しているお店はいくらでもあるだろう。

一方で2021年になってじわじわ話題になっている気がする。成城石井のクレームダンジュがテレビで取り上げられた影響があるのだろうか。2021年、2022年頃のトレンドスイーツになるかもしれない。

参考文献

その他のチーズケーキ

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