これで全部わかる【チーズケーキの種類】日本で見られる9種のチーズケーキの特徴を解説

チーズケーキ研究

ベイクドチーズケーキやニューヨークチーズケーキ、スフレチーズケーキなど、日本には様々なタイプのチーズケーキが存在しているが、いったいどれくらいの種類が存在しているのだろうか。

調べてみてわかったのは、日本で一般的にみられるチーズケーキは以下の9種類であること。

【1】レアチーズケーキ

冷やして固めるチーズケーキ。多くのチーズケーキは焼いて固めるか、冷やして固めるかのいずれかであるが、レアは冷やして固めるタイプ。この点でベイクドチーズケーキとは決定的に違う。クレームダンジュ、日本風カッサータを含む。

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コガネイチーズケーキ きび砂糖のレアチーズケーキ

【2】ベイクドチーズケーキ

いわゆる普通のベイクドチーズケーキ。オーブンなどで焼いて固めるのが特徴。ニューヨークチーズケーキ、バスクチーズケーキ、チーズテリーヌもベイクドチーズケーキの一種だといえる。

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中村橋「Patisserie T Chantilly(Tシャンティイ) 」のベイクドクリームチーズケーキ

【3】スフレチーズケーキ

卵白を泡立てたメレンゲを混ぜ、スポンジのようなふわふわな生地に仕上げるのが特徴。焼くタイプのチーズケーキだが、卵白を泡立てる点で、普通のベイクドチーズケーキとは決定的に違う。スフレチーズケーキとも。

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高幡不動・パティスリーフジウ・スフレフロマージュ (2)

【4】チーズタルト

主に「チーズタルト」や「タルトフロマージュ」などの名前で販売されている菓子。タルトとして売り出している点で、”タルト生地を使ったチーズケーキ”とは決定的に違う。

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【5】2層のチーズケーキ

レアとベイクド、スフレとベイクドなど、別タイプのチーズケーキを組み合わせたチーズケーキ。レア、ベイクド、スフレを層にした3層のチーズケーキを含む。

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蒲屋忠兵衛商店 キャラメルドゥーブルフロマージュ

【6】焼き菓子・菓子パン系チーズケーキ

チーズケーキのなかでも、特に菓子パンに近いものや、焼き菓子に近い質感のもの。常温保存可能なチーズケーキはこのタイプが多い。菓子パンやバターケーキに分類することもできるが、「チーズケーキ」という名前で販売されているものが多いので、チーズケーキの1種だとした。

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無印良品 不揃いチーズケーキ (6)

【7】飲むチーズケーキ

液体状のチーズケーキ。レアチーズケーキともいえるが、完全に液体状である点において、レアチーズケーキとは決定的に違う。

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青山フロマージュのクレームフロマージュ (2)_R

【8】ビーガン・プラントベースチーズケーキ

プラントベースチーズケーキ、豆腐チーズケーキ、ビーガンチーズケーキなどチーズを使わないチーズケーキ。

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UPBEET TOKYO (ヴィーガン&グルテンフリーベイクドチーズケーキ) (6)

【9】ティラミス

マスカルポーネというフレッシュチーズを使ったケーキ。チーズケーキ、あるいはチーズを使ったケーキだといえる。

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スターバックス ティラミス (7)

ちなみにほとんどのチーズケーキは、「焼いて固めるチーズケーキ」か「冷やして固めるチーズケーキ」の2種類に大別できる。

さて、本記事では先に紹介した9種類のチーズケーキについて、その特徴や歴史などを解説していく。

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レアチーズケーキ(クレームダンジュ、カッサータ含む)

まずはレアチーズについて、その定義や簡単な歴史について掘り下げていく。

赤坂 しろたえ レアチーズケーキ
しろたえ

まずその主な特徴を挙げると以下のとおりである。

  • 冷やして固めるチーズケーキである
  • 「レア」という呼称は日本独自で、海外ではNo-Bake Cheesecake」などで呼ばれる

「レアチーズケーキ」の最大の特徴は、冷やして生地を固めることにある。

ベイクドチーズケーキは、オーブンで焼き、卵や小麦粉などの凝固作用を利用することで生地を固める。一方のレアチーズケーキは、冷やして生地を固める。

生地を固める方法はいくつかあるが、日本で代表的なのはゼラチンを使う方法である。ゼラチンは、ゼリーを作る際に使う材料で、水に溶かしてチーズケーキに混ぜ、その凝固作用を利用して固める。日本でみられるレアチーズケーキのレシピの大半が、この方法である。

ベイクドチーズケーキがほぼ確実に卵を使うのに対して、レアチーズケーキは卵を使用しない。ゆえにレアチーズケーキは真っ白であることが多い。さらにつなぎとなる材料(薄力粉やコーンスターチなど)を使用していないので、ベイクドチーズケーキに比べると、しっとりした質感になりやすい。時々、「ベイクドなのにレアのような口どけ」というキャッチコピーをみかけるが、それはレアのほうがベイクドよりも口どけが良いという認識があるからであると考えられる。

コガネイチーズケーキ きび砂糖のレアチーズケーキ
コガネイチーズケーキ

ちなみに日本で最初にレアチーズケーキを出したのは、1965年の洋食屋のトップス(Top’s)という説がある(「バスク」で人気再燃 チーズケーキと五輪に深い縁?)。個人的にはこの説は怪しいと思っている。日本では戦前からすでにスフレタイプのチーズケーキの存在が確認でき、それよりも簡単な焼かないタイプのチーズケーキが1965年以前に存在しなかったとは到底考えられない。ただし今のところ資料は見つかっていない。調査中である。

トップス レアチーズケーキ
トップスのレアチーズケーキ

ちなみにゼラチンを使用しないチーズケーキもまれに存在する。ゼラチンの代わりに寒天や片栗粉を使用している。

その他、バターやクリームチーズ、サワークリーム、チョコレートなど、温度が低いと固まる性質を持つ材料を活用して、整形するレアチーズケーキも存在する。後述するが、海外の焼かないチーズケーキは、ゼラチンや片栗粉などの固めるための材料を使っていないレシピが多くあった。

ちなみに、「パティスリー」と呼ばれる、ヨーロッパで修行したシェフが在籍する店では、オーソドックスなレアチーズケーキはまず見かけない。口どけを良くするためにムース状になっていることがほとんどである。

目白 エーグルドゥース フロマージュ・クリュ (1)
エーグルドゥース
浜田山 パティスリー ヴォワザン フロマージュ (1)
ヴォワザン

「レアチーズケーキ」は日本独自の呼称

焼かないチーズケーキを「レアチーズケーキ」と呼んでいるのはどうやら日本だけのようである。海外では「No-Bake Cheesecake」と呼ばれている。

「レアチーズケーキ」の「レア」はおそらく、肉の焼き加減において生焼けを意味する「レア-rare」からとっているのだろう。肉の焼き加減の「レア」という言葉は、海外でも使われているが、チーズケーキに関しては「No-Bake Cheesecake」が一般的である。

また日本と海外では、レシピに若干違う点がある。Youtubeで外国人が公開している焼かないタイプのチーズケーキのレシピを見てみると、ゼラチンを使わないレシピが多いのである。もちろんほんの数件、レシピを調べたにすぎないが、日本であったらほぼ確実にゼラチンが使われるところが、海外ではそうではないレシピが簡単に見つかるのである。

ちなみに冷やし固めるタイプのチーズケーキは、はるか昔から存在すると考えられる。フランスの地方菓子で、フロマージュブランを使用する「クレームダンジュ(Crémet d’Anjou)」は、1900年頃から存在している。またロシア正教において、イースターのときに食べる乳製品を使ったケーキである「パスハ(Paskha)」は、日本のレアチーズケーキの原型になっているとも言われており、日本よりも先に存在している可能性が高い。

「パスハ」はロシア正教徒のイースターを指す言葉なのだが、この時に食べられるチーズケーキも「パスハ(Paskha)」と呼ばれている。復活祭の時に「パスハ」を食べるのは、ロシア正教徒の風習である(世界の食文化〈19〉ロシア)。日本のレアチーズケーキはこの「パスハ」を参考にしているのではないかという説もある(お菓子の由来物語 猫井登)。

ヨーロッパや西アジア、中央アジアでは、チーズは紀元前から食べられている。どこかのタイミングで焼かないチーズケーキが生まれていてもまったくおかしくはない。

Crémet d’Anjou(クレメダンジュ、クレームダンジュ)について

成城石井のクレームダンジュ

スーパーやファミリーレストランで時々みられる、チーズを使ったスイーツとして「クレームダンジュ(あるいはクレメ・ダンジュ)」がある。これはフレッシュチーズをベースに、生クリームやメレンゲ、砂糖を混ぜた後、ふきんでつつみ、水気を抜いてつくる生菓子であり、焼かないチーズケーキという意味ではレアチーズケーキの一種といえるだろう。

むさしの森珈琲 フレッシュイチゴのクレームダンジュの写真 (2)
むさしの森珈琲のフレッシュイチゴのクレームダンジュ

この「クレメ・ダンジュ(Crémet d’Anjou)」は、フランスのアンジュ地方(Anjou)に伝わる伝統菓子である。1900年頃に生まれ、もともとはフレッシュチーズではなく、生クリームと卵のみで作っていた。『お菓子の由来物語』にその詳細が紹介されているので引用する。

cremet=クリーム、d’anjou=アンジュ地方の。1900年頃、 酪農家がハバット(パターを作る機械=撹拌機)を使いクリームをこねる過程で、機械のプロペラやまわりに付着した クリームをかき集め、ソースをかけてデザートとして食べたのがはじまりだとされる。現在は、フロマージブランというチーズを使うのが一般的であるが、昔は生クリームと卵白のみで作っていた。1920〜30年代頃は「クレメダンジュ」 売りの少女がカゴに入れ、街で売っていたという。

このクレメ・ダンジュ(Crémet d’Anjou)は、1920年に美食家のキュルノンスキー(Curnonsky)が、「神々のごちそうだ( Le crémet angevin est un régal des dieux.)」と絶賛したという話がある。(Wikipedia -Crémet d’Anjou

フランスのアンジュ地方にある「Crêmetd’Anjou」という名前のレストランのサイトでは、1890年に生まれたものであると紹介されている。ちなみにこのレストランは、「Crêmetd’Anjou」で商標登録までしている(レストランのサイト https://cremetdanjou.fr/)。

東京の麹町にある有名店パティシエ・シマでは、クレメ・ダンジュをベースにした「クレームアンジュ」というケーキを販売している。これは推測であるが、パティシエ・シマの島田シェフが「Creme Anjou(クレーム アンジュ)」という名で商品化したのは、「クレメ・ダンジュ(Crêmetd’Anjou)」という名が商標登録されており、その名が使えなかったからなのではないだろうか。

クレメ・ダンジュ(Crémet d’Anjou) は、「天使のクリーム」「天使のチーズケーキ」と呼ばれることがあるが、これは「anjou(アンジュ地方)」を、「天使」を意味する「ange(アンジュ)」という言葉にかけて呼ぶようになったと思われる。もともとクレメ・ダンジュに「天使の」という意味はない。

クレームダンジュについては以下のページでさらに詳しく解説しているので、参考にされたい。
クレームダンジュ、クレメダンジュ(Crémet d’Anjou)とは? 歴史と特徴を解説

カッサータについて(日本風カッサータ)

ローソン カッサータ
※ローソン

もう1つ日本で見られる海外の冷やして固めるチーズケーキとして、「カッサータ」がある。

カッサータはイタリア・シチリア発祥の氷菓である。日本ではリコットチーズとドライフルーツを使ったスイーツとして知られており、冷凍、あるいは冷蔵の状態で提供されている。冷やして固めており、またリコッタチーズを使用しているという意味ではレアチーズケーキの1種であるといえる。

日本におけるカッサータは、概ね以下のような形状をしている。

ドライフルーツのレアチーズケーキといった様相だ。

このカッサータは、日本では少なくとも2000年前後にはすでに存在している。注目されはじめたのは2021年頃で、ローソンやセブンイレブンで販売されたことがきっかけの1つである。

ちなみにこのようなケーキがカッサータとして流通しているのは、日本だけである可能性がある。SNSで海外におけるカッサータを調べてみると、まったく違うケーキが出てくる(#cassatasiciliana)。日本にあるシチリア出身のシェフが手掛けるシチリアカフェでカッサータを注文した際も、やはり日本で一般的なカッサータとは違うものがでてきた。

乃木坂 ニーノカフェ・カッサータ
乃木坂 ニーノカフェ・カッサータ

つまり、日本のカッサータと本場シチリアのカッサータは違う可能性が高い。カッサータの詳しい歴史や日本と海外におけるカッサータの違いは以下のページで解説している。
カッサータとは何か? その歴史と特徴、日本と海外のカッサータの違いについて

他にも色々なレアチーズケーキが存在する。最後に簡単に紹介していく。

CHEESE&MEAT BANK 炙りレアチーズケーキ (2)
CHEESE&MEAT BANKの炙りレアチーズケーキ
ふなわかふぇ お芋のレアチーズケーキ (12)
ふなわかふぇ、お芋のレアチーズケーキ
atari cafeの豆腐のレアチーズケーキ
PRONTO(プロント)のベリージェリーレアチーズの写真 (14)
プロントのベリージェリーレアチーズ

表面にクリームを乗せたものや、表面を炙ったもの、豆腐と混ぜたものまで様々なレアチーズケーキが存在する。

またほうじ茶のレアチーズケーキのような、フレーバーを混ぜたチーズケーキもある。

ガーデンハウス新宿 ほうじ茶チーズケーキ (5)
ガーデンハウス新宿のほうじ茶のチーズケーキ

同じレアチーズケーキでも、味や食感、口当たりはまったく異なるため、楽しみがいがあるスイーツであるといえる。

当ブログで過去に紹介したレアチーズケーキ

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ベイクドチーズケーキ(ニューヨークチーズケーキ、バスクチーズケーキ、チーズテリーヌ含む)

続いては日本でもっともよく見られるであろう、ベイクドチーズケーキについてである。

ドトール ベイクドチーズケーキ
ドトールコーヒーのベイクドチーズケーキ

その主な特徴は以下の2つにまとめることができる

  • 焼いて固める
  • クリームチーズに生クリーム、サワークリーム、卵、砂糖、薄力粉を混ぜて焼くのが一般的

ここではベイクドチーズケーキという言葉を狭義の意味でとらえた場合のベイクドチーズケーキ、つまり、一般的にイメージされるベイクドチーズケーキについて解説する。

なぜ、このようなまどろっこしい前置きをするのかというと、「ベイクドチーズケーキ」という言葉を広い意味で捉えると、焼いたチーズケーキがすべて該当してしまうからである。「ベイクドチーズケーキ」という言葉は、文字通りに受け取れば「焼いたチーズケーキ」という意味になる。つまりスフレチーズケーキも、チーズタルトも、菓子パンタイプのチーズケーキも、どれもベイクドチーズケーキということになる。

しかしベイクドチーズケーキとスフレチーズケーキは別で考えるのが一般的である。ゆえに本項では、ひとまずベイクドチーズケーキを狭義の意味で捉える。すなわち、焼いたチーズケーキのなかでスフレチーズケーキ、チーズタルト、焼き菓子系のチーズケーキを除いた、一般的なベイクドチーズケーキ(本項の冒頭に掲載した画像のようなチーズケーキ)についてである。

一般的なベイクドチーズケーキのレシピ

一口にベイクドチーズケーキといっても、そのレシピ・材料は様々である。一般的なベイクドチーズケーキの材料は以下のとおりである。

ベイクドチーズケーキの材料
  • クリームチーズ
  • 生クリーム
  • サワークリーム(ヨーグルトで代用するレシピも)
  • 砂糖
  • レモン汁
  • 薄力粉(コーンスターチで代用することも)
  • バニラオイル(あったりなかったり)

土台を作る場合はビスケットやバターが追加される

こちらはあくまで家庭向けのレシピである。また同じ家庭向けのレシピであっても、材料の配分は微妙に異なる。

基本的に、どのレシピであってもクリームチーズを主原料として、副材料に生クリームやサワークリーム、あるいはヨーグルトを使う。またベイクドチーズケーキはほぼ確実に卵を使っており、これは生地を固めるためである。レアチーズケーキがゼラチンで生地を固めるのに対して、ベイクドチーズケーキは卵で生地を固める。ここにレアとベイクドの決定的な違いがある。

行程はとてもシンプルで、混ぜて型に流して焼くだけである。材料を混ぜる順番や混ぜ方などによって、違いは生まれるが、家庭で少量作るのであれば、大雑把に全部まぜて焼けば、おいしいチーズケーキができあがる。ベイクドチーズケーキのレシピはネットにも本にも無数に存在し、検索すれば簡単に見つけることができる。

当ブログで過去に紹介したベイクドチーズケーキ

現在みられるベイクドチーズケーキの原型は中世のポーランド、ポドハレ地方でつくられていた「セルニック」というお菓子だといわれている。セルニックとはチーズケーキという意味で、今でもポーランドでは「セルニック」という名前で売られているそうだ( https://witam-pl.com/2015/11/29/blog47/#a2

セルニックはカスタードクリームとカッテージチーズを混ぜて焼いたものである。セルニックは、アメリカに移民したユダヤ人によって広がった、という説がある(スイーツ手帖~おいしさをひもとく142の秘密~)。アメリカに持ちこまれたチーズケーキが、そのうちニューヨークチーズケーキのようなものに変化したといえるだろう。

ニューヨークチーズケーキについて(ベイクドチーズケーキの一種)

スターバックス ニューヨークチーズケーキ (2)
スターバックスのニューヨークチーズケーキ

ニューヨークチーズケーキは、ベイクドチーズケーキと明確な違いがなく、明確な定義もないので、ベイクドチーズケーキの一種として紹介する。正直なところ、ニューヨークチーズケーキはベイクドチーズケーキとほとんど同じである。

ベイクドチーズケーキと呼ぶか、あるいはニューヨークチーズケーキと呼ぶかは、作り手次第でどちらでも問題はない。というより、現在一般的にみられるベイクドチーズケーキは、ニューヨークチーズケーキから発展していると考えられる。ある意味、狭義のベイクドチーズケーキと、ニューヨークチーズケーキはほぼイコールであるともいえる。

ただし、一応、ニューヨークチーズケーキの特徴も挙げられなくはない。それが以下のとおりである。

  • グラハムクラッカーを砕いたもので土台を作っている
  • 湯煎焼きにする
  • サワークリームを混ぜている
  • 一般的なベイクドチーズケーキに比べてしっとりしていて口溶けがよい

もちろん上記の特徴に当てはまらないニューヨークチーズケーキも存在する。

湯煎焼きとは、オーブンの天板(下の鉄板)にお湯を張った状態で焼く調理法である。これにより、蒸し焼きに近い状態になり、しっとりした、口溶けのよいチーズケーキに仕上げることができる。

またニューヨークチーズケーキのレシピを調べてみると、サワークリームを混ぜ、つなぎにはコーンスターチを使用している例が多くみられる。一般的なベイクドチーズケーキの場合は、サワークリームは使わないレシピも多くあり、また生地のつなぎには薄力粉を使用する例が多い。これらの点に少し、ベイクドチーズケーキとの違いが見られる。

ニューヨークチーズケーキの特徴をひとまず列挙してみたが、上記の例から外れるニューヨークチーズケーキも見受けられる。たとえば土台がないものや、湯煎焼きにしないもの、コーンスターチではなく片栗粉を使うものなど、ニューヨークチーズケーキといっても、本当に様々である。

参考までにニューヨークチーズケーキという名前で販売されていたチーズケーキを紹介する。

【dean&deluca】 ニューヨークチーズケーキ (8)
松之助NY
エクセルシオールカフェ ニューヨークチーズケーキ
エクセルシオールカフェ
高円寺 パティシエジュンホンマ(Jun Honma) ニューヨークチーズケーキ
パティシエジュンホンマ

ニューヨークチーズケーキに明確な定義は存在せず、作り手が「ニューヨークチーズケーキ」といったらそれはニューヨークチーズケーキである。そもそも「ニューヨークチーズケーキとは何か?」などと定義しようとすることがナンセンスなのかもしれないと思えてくる。

ニューヨークチーズケーキについては以下のページで考察している。
ニューヨークチーズケーキとは何か? 特徴や語源、歴史など

バスクチーズケーキについて(ベイクドチーズケーキの派生系)

カオリーヌ菓子 バスクのチーズケーキ (12)
カオリーヌ菓子のバスクチーズケーキ

バスクチーズケーキは、2018年の夏頃から日本で流行しているチーズケーキである。表面をしっかり焦がし、焦げた表面のほろ苦みと、外側(火が当たりやすい場所)のベイクド感、内側のレア感、これらを同時に楽しめるチーズケーキである。

バスクチーズケーキもベイクドチーズケーキの一種であるといえる。というのも、バスクチーズケーキは、ベイクドチーズケーキの材料の分量を増やして、焼き時間と温度を変えれば完成するからである。

先のニューヨークチーズケーキのように、バスクチーズケーキとベイクドチーズケーキの境目は曖昧である。それでも一般的な特徴を列挙すると、以下のとおりである。

  • クリームチーズの使用量が多い
  • 高温、短時間で焼き、表面を焦がしつつ、中身は半熟ぎみ
  • ずっしりした濃厚さと、クリーミーな口溶けを楽しめる

バスクチーズケーキは、一般的なベイクドチーズケーキに比べ、クリームチーズを1.5倍〜2倍の量を使用し、さらに高温・短時間で焼き上げる。これにより表面はこんがり焦げているが、中身は半熟という独特なチーズケーキができあがる。

恵比寿 BELTZ(ベルツ) バスクチーズケーキ (13)
BELTZのバスクチーズケーキ

バスクチーズケーキは、美食の街として知られるスペイン・サンセバスチャンの、バルで売られていたチーズケーキを模倣したものだ。サンセバスチャンは、スペインとフランスにまたがる”バスク地方”と呼ばれる場所にある。「バスク料理」や「ガトーバスク」などで知られるエリアである(バスク料理 wiki)。

「バスクチーズケーキ」という呼び方も、このバスク地方に由来している。日本にバスクチーズケーキが入ってきた初期のうちは「バスクのチーズケーキ」といった呼び方をされていたが、そのうち「バスクチーズケーキ」あるいは「バスク風チーズケーキ」あるいは、ローソンが販売したバスク風チーズケーキによって定着した「バスチー」などで呼ばれるようになった。ちなみに、サンセバスチャンのバルでは、「バスクチーズケーキ」ではなく「tarta de queso(チーズケーキ)」という名前で売られている。

日本で最初にバスクチーズケーキを販売したと考えられるのはカオリーヌ菓子店である。バスクチーズケーキが日本でブームになるのは2018年頃からであるが、カオリーヌ菓子店はそれよりももっと前の2011年から「バスクのチーズケーキ」という名前で、バスク風チーズケーキを販売していた。シェフのかのうかおりさんは、スペイン領バスクを旅したときに、真っ黒なチーズケーキに出会い、それを日本で再現したと述べている。

日本でバスクチーズケーキがブームになったのは、2018年の7月、白金高輪にオープンしたバスクチーズケーキ専門店「GAZTA」がきっかけである。そのブームに続く形で、2019年にはローソンがバスクチーズケーキを模倣したスイーツ「バスチー」を販売。これが大ヒットし、バスクチーズケーキが一般的なブームになった。

白金高輪 GAZTAのバスクチーズケーキ (2)
GAZTAのバスクチーズケーキ

前述のとおり、バスクチーズケーキはベイクドチーズケーキの一種であり、ベイクドチーズケーキとの違いも曖昧である。一方で、これまでにないインパクトのあるビジュアルと、濁点が入ったキャッチーな名前、そして脂肪分をたっぷり含んだ中毒性のある味わいで、人気を集めた。その人気は、一過性で終わるのではなく、チーズケーキの1つのジャンルとして定着しつつある。

バスクチーズケーキの特徴やブームになった理由などは、以下のページで分析しているので、興味がある方はぜひご覧いただきたい。
バスクチーズケーキとは何か? 歴史、名前の由来、ブームになった理由などを解説

チーズテリーヌ、フロマージュテリーヌについて(長方形のベイクドチーズケーキ)

神楽坂「コキヤージュ」の「テリーヌドゥショコラオフロマージュ」の写真
コキヤージュのテリーヌドゥショコラオフロマージュ

2019年頃からネットやテレビ番組で見られるようになったチーズケーキとして「チーズテリーヌ」がある。チーズテリーヌとはなんだろうか。結論を先取りするなら、チーズテリーヌは、四角いベイクドチーズケーキである。

チーズテリーヌは、2019年に超人気テレビ番組『マツコの知らない世界』で、次に流行るチーズケーキとして紹介された。それ以降、チーズテリーヌという名前を聞く機会が増えた。2020年10月には、ローソンが「麗溶チーズテリーヌ」という名前で商品化。2021年2月にはファミリーマートがカップタイプのチーズテリーヌを、同年3月にはセブンイレブンが「バニラ香るチーズテリーヌ」を発売した。

ローソンの麗溶チーズテリーヌ
ファミリーマート(ロピア)の「チーズテリーヌ バニラソース仕立て」の写真 (23)
ファミリーマートのチーズテリーヌ
セブンイレブン バニラ香るチーズテリーヌの写真 (4)
セブンイレブンのチーズテリーヌ

チーズテリーヌの主な特徴は、次のとおりである。

  • バニラの風味を添加している
  • 口どけを強調している
  • 四角い

一方で例外もたくさんあり、一般的なベイクドチーズケーキとほとんど変わらないものが、チーズテリーヌとして売られている例も見受けられる。

ちなみにフランス料理のテリーヌの定義は、テリーヌ型を使って作った料理ということになっている。テリーヌ型とは、本来はテラコッタ製のものを指すのだが、現在ではテラコッタ製の型だけでなく、一般的なパウンドケーキ型もテリーヌ型として使われている。そしてフランス料理のテリーヌにも厳密な定義はない。そこから派生しているチーズテリーヌにも、やはり厳密な定義はない。どんな型を使っていても、作り手がチーズテリーヌといったら、それはチーズテリーヌであるといえる。

チーズテリーヌとは何だろうか。前述のとおり厳密な定義はない。チーズテリーヌを、チーズケーキを別の言い方で表現したにすぎないものであると、ややつまらない結論を出すこともできる。一方で、チーズテリーヌという名前で売られているものは、普通のベイクドチーズケーキとは少し違いがある。普通のベイクドチーズケーキを定義することは非常に難しいのだが、やはりチーズテリーヌとベイクドチーズケーキには、少し違いがある場合が多いのも事実だ。

明確な定義はないが、チーズテリーヌという何かが存在する。チーズテリーヌとは、世の中の人がなんとなく持ち合わせている、チーズテリーヌのイメージに、近いものがチーズテリーヌであるといえるのかもしれない。実態がなく、イメージのなかだけに存在するスイーツ、それがチーズテリーヌなのかもしれない。一方で、世の中に存在する多くの食べ物は、明確な定義などないが。

チーズテリーヌの歴史やその特徴については、以下のページで長々と解説している。
チーズテリーヌとは何か? なぜ注目されるようになったのか?|レシピや市販品から考察するチーズテリーヌについて

スフレチーズケーキ(チーズスフレ)

高円寺 トリアノン スフレチーズケーキ (5)_R
トリアノンのスフレチーズケーキ

スポンジのようなフワフワの食感を楽しめるスフレチーズケーキは、焼いて固めるチーズケーキという意味では、広義のベイクドチーズケーキである。一方で、狭義のベイクドチーズケーキからは外れる。というのも、一般的なベイクドチーズケーキとは、大きくレシピが異なるからだ。それゆえレシピ本でも、チーズケーキを紹介する記事でも、ベイクドチーズケーキとスフレチーズケーキは分けて紹介される。

では、スフレチーズケーキとはなんだろうか。その特徴をまとめると以下のとおりである。

  • クリームチーズケーキに牛乳とメレンゲを混ぜて、湯煎焼きにする
  • 日本発祥との説があり、海外では「ジャパニーズスタイル」とも呼ばれる
  • フワフワした、やわらかい食感を楽しめる

一般的なベイクドチーズケーキは、クリームチーズに全卵、生クリーム、サワークリームを混ぜて焼く。一方でスフレチーズケーキはクリームチーズに牛乳、そしてメレンゲを混ぜて焼く。

【一般的なベイクドチーズケーキ】
クリームチーズに生クリーム、サワークリーム、全卵を混ぜる

【スフレチーズケーキ】
=クリームチーズに牛乳、メレンゲ、卵黄を混ぜる

メレンゲとは卵白を泡立てたもので、これを混ぜることで、フワフワしたチーズケーキに仕上がる。土台(底)にはスポンジ生地を敷くのが一般的であり、ベイクドチーズケーキのように、クッキー生地を敷いたスフレチーズケーキは、一度もみたことがない。

成城石井 スフレチーズケーキ (11)
成城石井のスフレチーズケーキ

スフレチーズケーキは日本発祥という説も

ちなみにスフレチーズケーキは、日本発祥という説が有力だ。その証拠にスフレチーズケーキは海外では「ジャパニーズスタイル」と呼ばれることもある。

日本では、1926年にはすでにレシピとして登場している。この年に発行された『趣味と実用の西洋料理』のなかで、「チーズスフレー」という名前で、そのレシピが紹介されているのだ。

また初めてこのタイプのチーズケーキを最初に発売したのは、1970年大阪にあったホテルプラザである。レシピ本を多数出版している安井寿一さんが、 ドイツ語でケーゼクーヘンと書かれたレシピを参考に作り上げたとされている(『チーズケーキ本』昭文社)。

さらに1985年には、大阪の「りくろーおじさん」が「焼きたてチーズケーキ」の名前でスフレチーズケーキを販売。ブームとなった。この大ヒットがきっかけで、スフレチーズケーキは日本のみならず、海外でも知られるようになった(『ファッションフード、あります。』 畑中三応子 ちくま文庫)。

現在でもスフレチーズケーキは根強い人気を誇っており、フランスで修行を積んだシェフのお店でも、スフレタイプのチーズケーキが販売されることがある。

スフレチーズケーキの記事一覧

チーズタルト

【ベイクチーズタルト(BAKE CHEESE TART)】 (10)あまおう苺 チーズタルト
BAKE CHEESE TART

チーズタルトは、タルト生地の上にチーズケーキをのせたスイーツである。エッグタルトやフルーツタルトのようなタルトの一種と考えるか、チーズケーキの一種と考えるかは、各々意見があると思うが、ひとまず本記事では、チーズケーキの一種として紹介することにした。

一口にチーズタルトといっても、タルト生地の上にベイクドチーズケーキをのせる場合と、レアチーズケーキをタルトにのせる場合がある。前者はベイクドチーズタルトという名前で、後者はレアチーズタルトという名前で売られていることもある。

その他、ベイクドとレアの両方をのせる贅沢なチーズタルトも存在する。

プレシア ベイクドレア2層仕立てのチーズタルト パブロ監修 (8)
ベイクドレア2層仕立てのチーズタルト

日本では「BAKE CHEESE TART」や「PABLO」などのチーズタルト専門店が存在しており、チーズタルトの人気は根強い。ポテンシャルのあるジャンルだといえる。

パブロ(pablo) チーズタルト (2)
PABLOのチーズタルト

一方で、チーズタルトと、これまで紹介したベイクドチーズケーキやレアチーズケーキとの違いを厳密に考えると、それは単に、店側がどちらで呼ぶかの違いでしかない。

たとえば、どこからどう見てもチーズタルトなのに「ベイクドチーズ」という名前で売っている場合がある。逆に一般的なベイクドチーズケーキと同じものが「チーズタルト」という名前で売られている場合がある。

以下の写真は「チーズタルト」という名前で売っていたものであるが、ベイクドチーズケーキとして売ってもまったく不自然ではない。

赤坂【アラボンヌー】 のチーズタルト (11)
アラボンヌーのチーズタルト

また以下の写真は一見チーズタルトであるが商品名は「ベイクドチーズケーキ」であった。

神田 近江屋洋菓子店 ベイクドチーズケーキの写真 (1)
近江屋洋菓子店 ベイクドチーズケーキ

このようにチーズタルトとチーズケーキの定義や呼称は明確な決まりはない。結局のところ店側が「チーズタルト」として売り出すか「チーズケーキ」として売り出すかによって、チーズタルトかチーズケーキかが決まるのである。

ただし、だからといってチーズタルトをベイクドチーズケーキ、あるいはレアチーズケーキの一種としてしまうのも、やはり何か違う気がする。商品名には必ず店側の意図が内包されている。「チーズケーキ」ではなく「チーズタルト」として販売するのは、「タルト」として売り出したいから、あるいは「タルト」として食べてほしいからなど、何かしら意図が隠されているからである。

つまり何が言いたいかというと、チーズケーキとチーズタルトには明確な違いが(食べる側にはわかりにくいが)存在するということである。

これまで当ブログで紹介したチーズタルトはこちら

2層のチーズケーキ(ドゥーブルフロマージュとも)

ルタオ ドゥーブルフロマージュ
ルタオのドゥーブルフロマージュ

2層のチーズケーキとは、異なる2つのタイプのチーズケーキを重ねたチーズケーキのことである。チーズケーキの分類として語られることはないが、ジャンルの1つとして確立できるほど多く見かけるものである。

その特徴を簡単にまとめると、以下のとおりである。

  • レアとベイクド、2つを重ねたタイプが主流
  • 2つの異なるチーズケーキを同時に楽しめる
  • ルタオのドゥーブルフロマージュが有名

もっともポピュラーなのは、ベイクドチーズケーキの上にレアチーズケーキを乗せたタイプである。なかでも人気なのはルタオの「ドゥーブルフロマージュ」だろう。

ルタオ ドゥーブルフロマージュ
ルタオのドゥーブルフロマージュ

他にも無印良品や、洋菓子屋のアンリシャルパンティエも2層のチーズケーキを販売している。

【無印良品】2層仕立てのチーズケーキ (8)
無印良品の2層のチーズケーキ
銀座 アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン (27)
アンリシャルパンティエのWチーズケーキ

レアとベイクドを重ねるのが主流であるが、スフレとベイクド、スフレとレア、レアとムースなど、様々な組み合わせが存在する。また驚くべきことに、シャトレーゼではベイクド、レア、スフレの3種類を重ねたチーズケーキを販売している。

シャトレーゼのトリプルチーズケーキ
※シャトレーゼのトリプルチーズケーキ

ドゥーブルフロマージュはルタオが発売したことで一気に有名に

もっとも有名なルタオのドゥーブルフロマージュについて、少し紹介したい。

2層のチーズケーキの代表格として知られるドゥーブルフロマージュを考案したのは、フラノデリスの藤田美知男さんだといわれている。『チーズケーキ本』によると、藤田さんが1994年にハワイに研修にいっていた時、重めのニューヨークチーズケーキにもう1つ別の味を加えたらいいのではないかと思いついた。数年後に帰国し、東京のレストランで、そのアイディアを形にし、ドゥーブルフロマージュの原型を作成。藤田さんは、2001年に自身の洋菓子屋であるフラノデリスを富良野にオープンし、そこでドゥーブルフロマージュを販売した。

ルタオのドゥーブルフロマージュは、藤田さんの技術指導によって考案されたチーズケーキである。ルタオが全国販売を行ったことで、ドゥーブルフロマージュは有名になり、2層のチーズケーキは他の店舗が模倣するほど、人気のチーズケーキになったのである。

当ブログで過去の紹介した2層のチーズケーキはこちら

焼き菓子・菓子パン系チーズケーキ(通称)

スイーツファーム 濃厚チーズケーキ (11)
スイーツファーム 濃厚チーズケーキ

焼き菓子・菓子パン系チーズケーキという呼び名は、筆者が勝手にそう呼んでいるものであり、明確にこういった分類があるわけではない。しかしチーズケーキの種類を語る上で、この焼き菓子・菓子パン系は絶対に見逃せない存在でもある。というのも、スーパーやコンビニなどの大衆的な場から、有名洋菓子店、観光地のお土産屋など、至るところにこのタイプのチーズケーキが販売されているからである。

焼き菓子・菓子パン系チーズケーキの主な特徴は、常温で販売されていることである。たとえば、無印良品の「不揃いチーズケーキ」やセブンイレブンの「2種チーズを使用したチーズケーキ」などが、このジャンルのチーズケーキに入るのだが、どちらも常温で販売されている。

他にもコンビニやスーパーの菓子パンコーナーに置いてある「チーズタルト」「チーズケーキ」などの商品がこのジャンルに入る。

【ファミリーマート・敷島製パン】コク深い味わい・ベイクドチーズタルト (3)
ファミリーマートのコク深い味わい・ベイクドチーズタルト

焼き菓子系はコンビニ・スーパーに特有のものではない。デパ地下にある贈答用洋菓子を販売する店でも見られる。たとえば「資生堂パーラー」や「アンリ・シャルパンティエ」「グラマシーニューヨーク」も、焼き菓子系のチーズケーキを販売している。

資生堂パーラー チーズケーキ (2)
資生堂パーラーのチーズケーキ
グラマシーニューヨーク(GRAMERCY NEWYORK) ニューヨークチーズケーキ(常温保存可能) (23)
グラマシーニューヨークのニューヨークチーズケーキ

材料に着目すると、生菓子タイプのチーズケーキと大きな違いがあることがわかる。生菓子タイプのチーズケーキは、クリームチーズの分量がもっとも多くなるが、焼き菓子系のチーズケーキは小麦粉、あるいはバター、マーガリンがもっとも多くなる。

チーズケーキというよりは、「チーズを使ったパン」「チーズを使った焼き菓子」というほうが、正確でわかりやすいかもしれない。しかしながら商品名は「チーズケーキ」なので、やはりチーズケーキである。

ちなみに菓子パン・焼き菓子系チーズケーキは商品によって味や食感、風味は大きくことなる。たとえば無印良品の「不揃いチーズケーキ」はパウンドケーキのような質感でチーズの風味は弱めであるが、セブンイレブンの「2種チーズケーキを使ったベイクドチーズケーキ」や資生堂パーラーのチーズケーキはねっとり感が強く、生菓子のベイクドチーズケーキに近い食感に仕上がっている。

トゥルトフロマージュ(トゥルトゥフロマージュ)について

あまり日本では知られていないが、フランスの地方菓子に「トゥルトフロマージュ」というものがある。こちらはまさにチーズを使った焼き菓子である。

尾山台「オーボンヴュータン」のル・トゥルト・フロマージュ (1)

「トゥルトフロマージュ」は、フランス生まれの地方菓子の1つである。19世紀のフランスで生まれ、チーズケーキに分類されることもある。日本ではほとんどみかけないタイプのチーズケーキだが、フランスではスーパーで売っているほどポピュラーな食べ物である。

日本でも東京のある店が販売しているが、焼き菓子と並んで常温で販売されている。

その味、食感を一言で表現するなら、スフレとタルトとバスクチーズケーキを足して3で割ったような感じ。

このチーズケーキの詳細は以下のページで解説しているので、興味がある方はこちらをご覧いただきたい。
トゥルトフロマージュ(tourteau fromage)とは何か? 歴史や味の特徴などを解説

ちなみにレシピは簡単に調べられる。
トゥルトー・フロマージュ – 森永乳業

当ブログで過去の紹介した焼き菓子・菓子パン系チーズケーキはこちら

飲むチーズケーキ

飲むチーズケーキとは、簡単にいえばチーズケーキのような味がするドリンクである。

どれもドリンクタイプであり、噛めないチーズケーキである。一方でそれぞれ質感も味もまったく違う。

たとえば青山フロマージュが販売しているクレームフロマージュは、けっこうドロドロした質感で、飲むヨーグルトのような質感であった。一方で森永乳業が販売していた「チーズケーキのめちゃった」はシャバシャバ系で、一般的なドリンクのように飲めた。またミニストップが販売していたグルグル飲むチーズケーキは、固形のチーズケーキをかき混ぜて液体状にしてから飲むタイプで、ちょうどマックシェイクのような質感であった。

このように、一口に飲むチーズケーキといってもその質感は千差万別である。また当然であるが、味や風味もそれぞれまったく異なる。

飲むチーズケーキは2020年頃に急にヒットした

「チーズケーキ」という名前がついたドリンクは数年前から存在していた。詳しい歴史は調査中であるが、私がチーズケーキに注目しはじめた2017年にはすでに存在していた。

2020年頃になると洋菓子屋、コンビニ、スーパーでも販売されるようになります。急に多くの場所でみられるようになった。農林水産省が発表している2021年流行スイーツ予想でも紹介されている(農林水産省)。

飲むチーズケーキのヒットの要因について、食のトレンドに関するWEBマガジン『Food Clip』では、2018年のバスクチーズケーキブームがその一因なのではないかと述べている。また同記事では「飲むチーズケーキは、2020年頃からタピオカに続く新たなスイーツドリンクブームのひとつとして注目されています」と述べており、タピオカブームとの関連性についても示唆されている(飲むチーズケーキ?スイーツドリンクが新トレンド新感覚 – Food Clip)。

2018年頃に発生したタピオカとチーズケーキの流行は、飲むチーズケーキのヒットの主要因であることは間違いないだろう。

本項を追記している2022年3月現在、飲むチーズケーキの熱はだいぶ冷めたように思う。一時期に比べると耳にする機会は明らかに減った。ただし前述のとおり、飲むチーズケーキはそもそも数年前からある場所にはあったものである。今後も同じように、”ある場所にある”くらいの存在としてあり続けるのだろう。

ビーガン・プラントベースチーズケーキ

HealthyTOKYO Cafe & Shop ヴィーガンチーズケーキ
HealthyTOKYO Cafe & Shop ヴィーガンチーズケーキ

ビーガン・プラントベースチーズケーキとは、簡単にいえば、チーズや卵などの動物由来の材料を使わないチーズケーキのことである。

チーズを使っていないケーキをチーズケーキの1つとしてカウントするかどうかは賛否があると思うが、私としてはそれが厳密にチーズケーキかどうかに関係なく、「チーズケーキ」と呼称されるもの一般について観察したいと考えている。ゆえにヴィーガン・プラントベースチーズケーキを本ブログ、及び本記事では1つのジャンルとしてカウントし、紹介している。

UPBEET TOKYO (ヴィーガン&グルテンフリーベイクドチーズケーキ) (6)
UPBEET TOKYO (ヴィーガン&グルテンフリーベイクドチーズケーキ)

さて、これらのチーズケーキは環境問題や動物愛護の観点から、販売する店が増えている。私がはじめてヴィーガン・プラントベースチーズケーキを食べたのは2019年頃で、当時はヴィーガンチーズケーキを売るお店は2、3軒しかなかった。また値段も高く、味もひとクセあるものが多く、決して手軽に買えるようなものではなかった。

一方で2022年になると、検索すれば簡単に見つけられるほど売る店が増えた。また手頃な値段のものも増え、味も格段によくなった。ヴィーガン・プラントベースへの関心が着実に高まってきていることや、それに伴ってノウハウが共有されるようになったからだろう。

さて、ヴィーガンチーズケーキとはどんなチーズケーキなのか? これらはチーズを使わない代わりに、豆腐やナッツ類をペースト状にしたものを使っている。筆者が食べた「HealthyTOKYO Cafe & Shop」のヴィーガンチーズケーキは、ナッツ類を使うタイプだった。ねっとりした舌ざわりはなにより美味しかった。

他にも様々なヴィーガンチーズケーキが販売されており、日を増すごとに味や食感がよくなっているように感じる。最近では、家庭用のヴィーガンチーズケーキのレシピも簡単に見つけられるようである。

クオリティが上がってきたとはいえ、やはりチーズを使ったチーズケーキと完全に同じとはいえない。やはり舌ざわりや風味は違う。ただし最近のヴィーガン・プラントベースチーズケーキは、それはそれとして、つまり1つのスイーツとして十分に美味しくなっている。

一般的なチーズケーキに寄せようとするのではなく、ヴィーガン・プラントベースチーズケーキは、それ固有の魅力を追求していき、普通のチーズケーキとは違う魅力で勝負すればいいのではないかと私は思っている。今後もどんなプラントベースチーズケーキが生まれるのか、楽しみである。

当ブログで過去に紹介したヴィーガン・プラントベースチーズケーキ一覧

ティラミス

スターバックス ティラミス (7)
スターバックスのティラミス

ティラミスはイタリア発祥のスイーツである。

ティラミスをチーズケーキだと考える人はあまり多くはないかもしれないが、マスカルポーネというイタリア原産のフレッシュチーズを使っているチーズケーキ、あるいはチーズを使ったケーキだといえる。ブームだった90年代は「イタリアのチーズケーキ」と紹介した雑誌もあった。

その構成は作り手によって様々であるが、スポンジを土台に、マスカルポーネや生クリーム、卵をまぜたクリームをのせ、表面にエスプレッソをふりかけたものが一般的である。ただし最近ではコーヒーの味は弱くなり、かわりにチョコレートで主張が強いものが多くなっている印象である。

日本においてティラミスは1990年代、一大ブームになった。それ以前からイタリアンレストランにティラミスはあったが、1990年に『Hanako(同年4月12日号)』が紹介したことで注目されるようになったといわれている。

ブームのおかげでティラミスは日本に完全に定着した。現在でも、コンビニやスーパーでほぼ必ずおいてある定番のスイーツである。

その他、日本で見かけるチーズケーキ

他にも色々なタイプのチーズケーキがある。細分化していくとキリがないので、適当なところで線を引いたが、チーズケーキは本当に多様であると思わされる。

フレーバー系チーズケーキ

チーズケーキにフレーバーを混ぜたチーズケーキである。色々なフレーバーチーズケーキがあるので、一緒にしてしまうのは少々大雑把ではあるが、こういったチーズケーキもあるということで、とりあえずまとめている。

ポピュラーなのは抹茶、チョコレートあたりで、最近ではほうじ茶もよくみかける。珍しいものだと、きなこ、カプチーノ、さくらんぼ、バナナなどがある。紹介したのはあくまで一部であり、探せばまだまだ色々なフレーバーのチーズケーキが見つかるだろう。なにより驚かされるのは、それだけチーズケーキは何にでも合うという点である。

当ブログで過去に紹介したフレーバー系チーズケーキはこちら

惣菜系チーズケーキ

JTRRD cafe & season0 「生ハムチーズとかぼちゃと枝豆のチーズケーキ」 (10)

惣菜系チーズケーキとは、惣菜代わりに食べられるようなチーズケーキのことである。かなりレア物なチーズケーキで、惣菜系チーズケーキを販売しているのは、今のところ1軒しかみたことがない。

その1軒とは、関西にある「JTRRD cafe & season0」という店。写真は「生ハムチーズとかぼちゃと枝豆のチーズケーキ」である。現在は販売していないようである。

JTRRD cafe & season0 「生ハムチーズとかぼちゃと枝豆のチーズケーキ」 (16)

カットに失敗してしまい見た目が最悪だが、中には生ハム、枝豆などが入っている。デザートとしてはもちろんのこと、つまみ、前菜にもぴったりの一品だ。いつかブームが来ると考えているのだが、なかなかその兆しがない。

【終わりに】チーズケーキは奥深い

以上チーズケーキの種類をまとめてきた。レアとベイクド以外は身勝手な分類になったが、各チーズケーキに明確な定義がないので、それは仕方がないということで、ご了承いただければと思う。

今回は筆者がこれまで食べたきたチーズケーキのなかで分類した。一方で、世界にはまだまだ色々なチーズケーキがある。調べたところによると、アメリカにはニューヨークチーズケーキの他にもシカゴチーズケーキなるものが存在する。またロシアやポーランド、ドイツやアフリカなどにも独自のチーズケーキがあるそうで、チーズケーキの奥深さに驚かされる毎日である。

※参考

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