なぜチーズケーキは色々な形で存在するのか?チーズケーキの形の多様さとその理由についての考察

当サイトは Google Adsense、アフィリエイト広告などを利用して収益を得ています。

円形から扇形、カップに入ったチーズケーキからチーズケーキサンド、飲めるチーズケーキまで、チーズケーキには色々な形のものが存在します。チーズケーキほど形や形状が多様なケーキは存在しないでしょう。ではいったいなぜチーズケーキはここまで形が多様なのでしょうか。

本記事では私が実際に見てきた様々な形状のチーズケーキを紹介するとともに、チーズケーキの形の多様さの謎について、考えてみたいと思います。

目次

色々な形のチーズケーキ

まず最初にチーズケーキがいかに色々な形で存在しているかについて紹介したいと思います。

四角柱、円柱などの一般的なチーズケーキ

まず以下は一般的なチーズケーキです。四角、あるいは円、円をカットした扇形などが一般的な形です。

どれも固体であり、手にのせたり掴んだりできます。そして自立しています。このタイプのケーキでも円や四角だったりいくつかの形があります。これらはケーキ型によるものです。

カップタイプのチーズケーキ

自立の必要性から解放されたのがカップ形状のチーズケーキです。

セブンイレブン(栄屋乳業)のチーズケーキ (2)
「チーズケーキ」という商品名で販売されたカップタイプのベイクドチーズケーキ
渋谷ローステッドコーヒー ジャーインチーズケーキ (3)
瓶の容器に入ったチーズケーキ

ケーキといえば自立しているというイメージがありますが、このカップタイプのチーズケーキは自立させる必要がありません。そのために自立したチーズケーキでは困難な柔らかい質感を実現できます。

カップは紙カップ、プラスチックカップ、瓶など様々な素材が使われます。スーパー、コンビニ、カフェ、パティスリーなどあらゆる場所でみられます。

スティックチーズケーキ

チーズケーキを皿とカトラリーから解放したのがこのスティックチーズケーキです。

フレフレボン スティックチーズケーキ 紅茶 (4)_R

ケーキといえばお皿とカトラリーを用意して食べるのが一般的でした。しかしこのスティック状のチーズケーキは、スティック状に細長くカットすることでドーナツやサンドイッチのように片手に持って手軽に食べることができます。”ケーキ”と呼ばれる食べ物でありながら、片手に持って食べられる手軽さがあるものはそれほど多くはないでしょう。

チーズケーキサンド

スティックタイプのチーズケーキの派生系ともいえるでしょうか。チーズケーキをビスケットやクッキー、パンなどでサンドすることで手軽に食べられるようにしたのがチーズケーキサンドです。チーズサンド、チーズバターサンドなどと呼ばれることもあります。

チーズケーキをサブレでサンドしたチーズケーキサンド

チーズケーキサンドはバターサンドやフルーツサンドが注目された時に、その派生形として急増しました。断面が写真映えするためSNS時代に適しています。そしてこちらも、カトラリーを使って食べるのが常識であったケーキを手軽に食べられるスイーツへと転換させています。

クリーム状のチーズケーキ

さて続いては、不思議なチーズケーキです。

馬喰町・バクロコモン(bakuro COMMON)の生レアチーズケーキの写真 (9)
「レアチーズケーキ」という商品名で販売されていた
atari CAFE&DINING (7)お豆富仕立てのレアチーズケーキ
「レアチーズケーキ」という商品名で販売されていた

固形、自立しているといったケーキの一般常識からはやや逸脱した形状であり、その様相はクリームの塊です。しかしこれもチーズケーキという名前で販売されていました。「ケーキとはいったい何か?」という疑問を私たちに突きつけるチーズケーキです。

ちなみにこういったチーズケーキは、コンビニやスーパーでも販売されることがあります。俗に「クレームダンジュ」といった名称で販売されるタイプのチーズケーキで、丸くてクリームのような形をしています。

「クレームダンジュ」という商品名でコンビニで販売されていたチーズケーキ

クリーム状のチーズケーキは、ケーキの一般的な形から逸脱していますが、なぜかこれが「チーズケーキ」という名前で販売されることに多くの人はあまり違和感を持たないはずです。違和感がないのは、日常的にチーズケーキが様々な形で販売されているからです。このようなチーズケーキの形状の自由度の高さは、チーズケーキの大きな特徴の1つであるといえます。

液体のチーズケーキ

チーズケーキはさらに流動化します。クリームを通り越しついには液体になります。

飲むチーズケーキ

前述のクリーム状のチーズケーキはまだ自立していましたがこちらは完全に液体です。俗に「飲むチーズケーキ」と呼ばれる食べ物(飲み物)で、清涼飲料水ほどシャバシャバではなく、マックシェイクのようなややもったりした質感です。フォークやスプーンなどのカトラリーを使って食べるのではなく、ストローを使って”飲む”ことを想定しています。「自立している」「固形である」といったケーキの常識からおおよそ逸脱しています。

この液体状のチーズケーキはごく一部の店が販売しているキワモノ商品というわけではありません。実はコンビニをはじめ、洋菓子屋、東京に複数店舗を出店するゴーストキッチン、オンライン専門店など様々な場所で販売されており、チーズケーキのジャンルの1つとして定着しています。

ここまで説明してきたように、チーズケーキには手で掴める固体状のものから到底掴めない液体状のものもあります。今のところ手で掴めない、食べることもできない気体のチーズケーキは登場していませんが、そのうち登場するのではないかと予想しています。

なぜチーズケーキは様々な形で存在するのか? 

ここまで見てきたようにチーズケーキは色々な形で存在しています。いったいなぜここまで多種多様なのでしょうか。その謎を考えていきます。

筆者が考えるその謎の答えは、チーズケーキの材料が液体に近いものが多いからなのではないか、というものです。

チーズケーキの材料のほとんどはクリーム状か液体状

チーズケーキの主な材料はクリームチーズをはじめサワークリーム、生クリーム、卵、ヨーグルトなどです。これらはどれも液体かクリームに近い質感です。チーズケーキは、前述のクリームや液体状の材料を固めるために、卵を混ぜて焼いたり、ゼラチンを混ぜて冷やしたりします。この固める調理を省けば液体やクリームのままです。つまり、チーズケーキは簡単にクリーム状や液体状にできるのです。

他のケーキはどうでしょう。ショートケーキをそのまま液体やクリーム状にすることはできません。フードプロセッサーや泡立て器でぐちゃぐちゃにするほかないのです。カップに詰め込むこともできるが手間が増えます。材料にも固体が使われます。
 
最近では缶に入ったショートケーキや瓶に入ったショートケーキが存在しますが、販売しているのはごく一部の店だけです。全国でも数件程度です。一方、瓶に入ったチーズケーキを販売する店は無数にあります。このような差があるのは、ショートケーキは自立するケーキとして作ったほうが楽だからです。チーズケーキは瓶に入れてもさほど手間は変わらなく、簡単に製作できます。カップのショートケーキやモンブランは奇をてらってつくる料理の1つでしかありません。瓶に入れたからといって食感が大きく変わるわけでもありません。

まとめ:チーズケーキは色々な形で作るのが簡単だが、他のケーキはそうでもない

なぜ色々な形のチーズケーキがあっても違和感がないのか?

チーズケーキにはクリーム状や液体状が存在します。このように色々な形状のチーズケーキが存在する理由の1つは、そもそも材料が流動的であるからだと述べました。続いては、クリーム状や液体状など、様々な形のチーズケーキが違和感なく受け入れられている理由について考えてみます。
 
結論を先に述べると、何度もブームを繰り返すなかで色々なタイプのチーズケーキが生まれ、私たち自信が色々なチーズケーキに慣らされたからではないでしょうか。

ある食べ物がブームになるときその食べ物は多様化する

ある食べ物がブームになる時、その食べ物は多様化します。たとえば2020年頃、イタリアの食べ物であるマリトッツォがブームになりました。ブーム当初は、丸くて柔らかいパンに生クリームをサンドした普通のマリトッツォしか見られなかったのですが、ブームが加熱するとチョコレートクリームやストロベリークリーム、ピスタチオクリームを使ったものが登場しました。他にも生クリームのなかにオレンジピールを混ぜたり、板チョコやピスタチオをトッピングしたマリトッツォが生まれました。

さらに、マリトッツォのブームに便乗する形で「〇〇トッツォ」といった食べ物が急増。コッペパンに卵サラダを挟んだだけの食べ物が、マリトッツォという名称で販売される現象も起きました。

カヌレがブームとなった時は、例に漏れず多様なカヌレが生まれています。それまで鐘の形をしたオーソドックスなカヌレしか見られなかったが、ブームになった途端、カヌレ風のグミや生カヌレ、半熟風カヌレ、カヌレケーキ、生ティラミスカヌレ、カヌチー(カヌレとチーズケーキを合体させたもの)、生クリームや抹茶クリームをトッピングしたカヌレなど、形も色も食感も様々なものが生まれました。このようにある食べ物がブームになる時、その食べ物は多様化します。この現象は、タピオカミルクティーやティラミスでも見られたものです。

チーズケーキはそのブームのなかで多様化を繰り返した

そしてチーズケーキもブームによって多様化しました。2019年頃のバスクチーズケーキに端を発するチーズケーキブームでは、チーズテリーヌやバスクチーズケーキ風のピノ、チョコパイ、飲むチーズケーキの急増など、多様化しました。

実はチーズケーキは近年のブーム以外にも、過去に何度かブームを経験しています。最初は1970年代で、外食ブームと重なる形でチーズケーキが注目されました。続くブームは1990年代。この時注目されたのがティラミスで、社会現象となりました。また同じ頃に、大阪の焼き立てチーズケーキがブームとなり、類似の商品を販売する店が急増しました。さらに付け加えるなら「チーズ蒸しケーキ」のスマッシュヒットもあります。そして2019年頃のバスクチーズケーキに端を発するブームです。
 
このようにチーズケーキは何度かブームを経験しています。そしてブームになるたびに多様なチーズケーキが生まれたと考えられます。私たちはこれまでの度重なるチーズケーキブームのなかで、色々な形のチーズケーキを受容していきました。最初のうちは「これってチーズケーキなの?」と疑問視したかもしれません。しかし多種多様なチーズケーキを見るうちに「チーズケーキってそういうもの」と液体やクリームでも、違和感を持たなくなっていったのではないでしょうか。

まとめると、チーズケーキにおいて、クリーム状のものや液体状のものが違和感なく受け入れられているのは、チーズケーキが何度かブームを経験し、その度に様々なチーズケーキが生まれ、人々はそのチーズケーキの自由自在性に慣れていったから、私はそう考えます。
 
クリーム状のチーズケーキや液体状のチーズケーキが具体的にいつ頃から存在しているのかはまだ分かりません。今後の課題としては、その発生時期を突き止め、それらのチーズケーキがどのような時代背景のなかで生まれたのかを調査していきます。

まとめ:ブーム繰り返し多様化を繰り返すなかで、私たちはどんなチーズケーキにも違和感を持たなくなったのではないか

おわりに

以上、チーズケーキの形、形状について紹介してきました。すでに色々なチーズケーキが存在していますが、これからも様々な形のチーズケーキが登場すると考えられます。本ブログで、これから登場するユニークなチーズケーキを追って行ければと思います。また当ブログでは、他にも色々な側面からチーズケーキを研究しています。ぜひ他の記事もご覧いただければと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次