チーズケーキは比較的簡単に作れるケーキですが、さらに簡単にしてくれる「チーズケーキミックス」というものが実は存在します。しかも、販売されているチーズケーキミックスは、どれもミックスを使わずに再現することが難しいような個性的な味わいでした。
【日清】クールンレアチーズケーキ
日清製粉のクールンレアチーズケーキです。
調べたところクールンレアチーズケーキは1980年頃から販売しているそうです。当時のCMがYouTubeにありました。日本で初のチーズケーキミックスである可能性もあります。
チーズケーキが日本に定着したのは1970年頃です。この頃家庭で作るチーズケーキはもっぱらレアチーズケーキでした。オーブンを所有している家は多くはなかったので。80年代もオーブンを持っている家はそれほど多くはなかったのでしょう。ゆえにベイクドチーズケーキではなく、レアチーズケーキのミックス粉が販売された。筆者はそう睨んでいます。
40年以上たった現在でも販売されているということは、根強いファンがいるということなのでしょう。
クールンレアチーズケーキミックスは、牛乳とバターを用意すれば作れます。どちらもコンビニでそろう材料です。
またケーキ型がなくても15cmの皿があれば作れるとのこと。箱には丁寧に15cmが図れるようになっています。
作り方は非常に簡単で、基本的には具材を混ぜて冷やすだけです。クリームチーズから作るよりも幾分簡単です。クッキー生地が作れるのもありがたいポイントです。
さて、箱のなかにはチーズケーキミックスと、土台に使うビスケットを粉状にしたものが入っています。
粉状になったビスケットと溶かしバターを混ぜて土台を作ります。
次にレアチーズケーキミックスと牛乳を混ぜて生地をつくり、型に流し込みます。
冷やしたレアチーズケーキの完成です。
後で紹介する森永のレアチーズケーキミックスよりも、少し粗い質感になりました。以下の写真は森永のレアチーズケーキミックスで作ったレアチーズケーキです。
さっぱりとした味わいです。甘さもコクも控えめで食べやすいチーズケーキです。
クリームチーズを使って作るレアチーズケーキともまた少し違う味、風味があります。簡単に作れるだけでなく、クリームチーズから作ったレアチーズケーキと同じような味にならないように、工夫している様子が見られます。クールン独自の味が楽しめるようになっているのです。
【森永】レアチーズケーキミックス
1957年からホットケーキミックスを販売し、ホットケーキミックスが定着するきっかけを作ったとされる森永ですが、実はレアチーズケーキミックスも販売しています。
「はじめてのお菓子作りキット」と書いてあるのが印象的です。菓子作りに慣れていなくても簡単に作れることをアピールしています。またこれをきっかけにお菓子に挑戦してほしいといった思いが込められているようにも感じます。
こちらも用意する材料は牛乳とバターのみです。作り方も簡単で混ぜて冷やすだけです。こちらもクッキー生地付きです。
箱のなかにはビスケットを粉状に砕いたものと、レアチーズケーキミックスが入っています。
粉状のビスケットはバター(マーガリンも可)と混ぜて土台にします。
あとはレアチーズケーキミックスと牛乳を混ぜて、型に流し込み、冷蔵庫で冷やしたら完成です。
混ぜて冷やすだけでツルッとした綺麗なレアチーズケーキが完成します。
ぷる、つるっとした食感と、ややねっとり感があります。またクッキー生地は意外とサクサクで心地よさがあります。
味も、色々なチーズを配合しているからなのか、クリームチーズと生クリームだけでは出せない他のチーズの塩味、風味を感じられます。カマンベールチーズのような風味があるのです。
レアチーズケーキはこういったミックスを使わなくても、クリームチーズと生クリーム、ゼラチン、砂糖があれば簡単に作れます。一方で森永のレアチーズミックスは、クリームチーズから作ったのでは出せないような独特の味があります。先に紹介した日清のクールンもそうでしたが、こちらもレアチーズケーキミックスでしか味わえない味になっているのです。
レアチーズケーキなんて簡単に作れるのにわざわざレアチーズケーキミックスを買う人なんているのだろうかと疑問に思っていましたが、この味が好きであえてミックス粉の方を買う人もいるのではないか、そんな風に思いました。
余談ですが森永は他にもクッキーミックスやチョコレートケーキミックス、スポンジケーキミックスなどを販売しています。これらの商品も、このミックスでしか出せない味が楽しめるようになっているのかもしれません。
【無印良品】自分でつくるベイクドチーズケーキ(350円)
無印良品が販売しているチーズケーキミックス「自分でつくるチーズケーキ」です。
こちらはベイクドタイプのチーズケーキが簡単に作れるキットです。
簡単とはいえベイクドチーズケーキなので、先のレアチーズケーキミックスに比べると用意する材料や道具も多くなります。そもそもオーブンが必要となります。所要時間も長くなります。
食材は卵、牛乳、食塩不使用バターも必要です。
箱のなかには以下のものが同封さています。
- チーズケーキミックス
- アプリコットソース
混ぜて焼くと香ばしいベイクドチーズケーキが完成します。
仕上げに同封されているアプリコットジャムを表面に塗って完成です。
常温で食べても、冷蔵庫で冷やしてから食べることもできます。冷やすと硬めの食感になり、むっちりしたベイクドチーズケーキを楽しめます。
味は、どちらかといえばあっさり系です。一般的なベイクドチーズケーキのようなねっとり濃厚な食感ではありません。焼き菓子のような感じでしょうか。
おわりに|ベイクドチーズケーキミックスがスーパーにはない
前半に紹介した日清と森永のチーズケーキミックスはスーパーで購入したもので、どちらもレアチーズケーキでした。ベイクドチーズケーキミックスはスーパーで見かけたことがありません。あるのは無印良品のみでした。
なぜスーパーにベイクドチーズケーキミックスが売っていないのでしょうか。スポンジケーキミックスやパウンドケーキミックスなど、オーブンを使う菓子の作成キットは売られています。ならばベイクドチーズケーキミックスもスーパーにあっていいはず。にもかかわらずスーパーにはレアチーズケーキミックスのみです。
森永、日清はそもそもベイクドチーズケーキミックスを製造していないようです。ベイクドチーズケーキミックスは無印良品以外だと、宝幸という加工食品メーカーが製造しているようです(宝幸の公式サイト)。しかしスーパーで一度もみかけたことがありません。
なぜスーパーにはベイクドチーズケーキミックスがないのか。その理由は正直なところわかりません。単に森永や日清などのミックス粉で知られるメーカーが製造していないからであり、仮に森永か日清がベイクドチーズケーキのミックス粉を製造したらスーパーで販売されるのかもしれません。
あるいは、スーパーを利用する客はベイクドチーズケーキをミックス粉から作らないだろうと判断されているのでしょうか。つまり需要がないのだと。しかしパウンドケーキミックスやスポンジケーキミックスは販売されています。ならばベイクドチーズケーキミックスがあってもいいはず。なぜベイクドチーズケーキミックスがスーパーにないのかは謎です。
答えが見つかり次第、このページに追記できればと思います。また、新たなチーズケーキミックスを見つけた際は、このページに追記していきます。
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