今回は、1960年創業の老舗洋菓子店「トリアノン」の、
- スフレチーズケーキ
- ロイヤルチーズケーキ(チーズタルト)
の2つのチーズケーキを紹介します。ちなみに「トリアノン」は高円寺だけでなく、大久保、三鷹にも店舗があります(一号店は高円寺)。
トリアノンの「スフレチーズケーキ」
スフレタイプのチーズケーキです。表面には光沢。断面の色もあざやか。食欲をそそるチーズスフレです。
表面には、光沢があり、何かが塗られているようです。
そういえばセブンのチーズスフレも、同じように表面に光沢がありました。(下記の写真はセブンイレブンのチーズスフレ)
ちなみにセブンイレブンのスフレの表面の光沢は、あんず(アプリコット)のジャムでした。
アプリコットジャムを使ったチーズスフレ
食べてみると、スフレのフワフワした食感とともに、優しいチーズの風味が口の中を吹き抜けます。また、表面の光沢はアプリコットジャムのようです(メニューにアプリコットジャムとの記載がありました)。
甘酸っぱさが広がるアプリコットジャムの味は、優しい風味のチーズスフレと相性抜群。
甘酸っぱさとチーズの甘み。どちらも強すぎず、弱すぎ、ほどよい味に仕上がっています。
ふわっとした食感と優しい味のチーズスフレ
また、こちらは2層構造のスフレです。
上にチーズスフレ、そして下にはスポンジ。
スフレは期待通りのフワフワさとチーズの風味です。口に入れるとまろやかなチーズの風味と、優しい甘みが広がります。
さすが老舗のケーキ屋。完成度の高いチーズスフレです。
トリアノンの「スフレチーズケーキ」の値段など
メニュー名 | スフレチーズケーキ |
---|---|
タイプ | チーズスフレ |
値段 | 380円 税別 |
トリアノンの「ロイヤルチーズケーキ」
サワークリームを使用した2層のチーズタルト
続いては「ロイヤルチーズケーキ」。
見た目に察するに「チーズタルト」です。しかしチーズタルトには珍しくチーズケーキの部分が純白です。
チーズタルトといえば、チーズケーキの部分はきつね色、もしくはクリーム色。しかし、「トリアノン」のチーズタルトは純白なのです。
メニューの説明を見てみると、
濃厚な風味のチーズとサワークリームの2層仕立て
トリアノン メニューより
との記載が。
クリームチーズだけでなく、サワークリームを使用し、2層のチーズケーキにしているのです。手の込んだチーズタルトです。
また、タルト部分はかなりの厚みであり、見ているだけで、「ザクッ」とした食感が伝わってくるよう。タルトが好きな方であれば、いてもたってもいられないタルトの厚みなのではないでしょうか。
爽やかな酸味とタルトの甘みが相性抜群のチーズタルト
横から見るとわかりますが、3層構造になっています。
上から
- サワークリームの層(純白の層)
- クリームチーズの層(クリーム色の層)
- タルト層
という構造になっています。
まずは上の純白の層は、やはりサワークリームを使用しているだけあり、酸味が目立つ味。
続いて下のクリームチーズの層。こちらは割と甘めも味。濃厚なチーズの風味を存分に感じられます。
一番上の層、2つ目の層を同時に食べると、チーズの甘みとサワークリームの酸味をほどよく楽しめます。酸みと甘みが絶妙なバランスになっているのです。
ザクッと美味しいハードタイプのタルト生地
タルト生地はハードタイプです。
チーズタルトは、しっとりしたタイプのタルト生地を使う場合と、ザクッとしたハードタイプのタルト生地を使う場合と、お店によって違います。「トリアノン」は、ザクっとした食感を楽しめる、ハードタイプのタルト生地を使っているようです。
また結構な厚みがあるので、タルト生地だけを食べると、もはやクッキーを食べているよう。
個人的には、ハードタイプのタルトが好きなので、大満足。タルトだけでも十分に幸せを感じられます。
酸味の中にほどよい甘みが混ざり、さらにザクッとした食感を楽しめます。
「トリアノン」の「ロイヤルチーズケーキ」は、そんな完成度の高いチーズタルトです。
トリアノンの「ロイヤルチーズケーキ」の値段など
メニュー名 | ロイヤルチーズケーキ |
---|---|
タイプ | チーズタルト |
値段 | 430円 税別 |
トリアノンについて(ケーキの種類や歴史について)
「トリアノン」は、1960年に高円寺で創業した洋菓子屋です。現在は高円寺、大久保、三鷹に店舗があります。
凄腕パティシエが在籍するお店
「トリアノン」のパティシエは、毎年ジャパンケーキショーにおいて数々の賞を受賞している凄腕のパティシエが腕を磨きにくるお店でもあるといいます。
店頭ではケーキ、焼き菓子、チョコレートを販売。また喫茶店としても営業しており、ケーキと喫茶メニューを店内で堪能できます。
創業者の安西松夫は、日本の洋菓子界の発展に寄与した人物
1960年にトリアノンの創業したのは、安西松夫という人物です。彼はトリアノンの創業以外にも、日本菓子界の技術向上に多大に貢献した人物だといわれています。せっかくなので少し詳しく解説していきます。
安西松夫は1939年に日本陸軍に入隊し、以降終戦まで従事し、陸軍曹長で終戦を迎えます。激戦の地を命からがら生き残った経験もあるそうです。
帰還後は、米津風月堂の門下生の1人であった田中邦彦氏と六本木にクローバー洋菓子店を開店。そこで10年の間専務取締役を務めた後、1960年に高円寺にてトリアノンの開業。
彼は1953年に当時の日本洋菓子技術協会(現在は日本洋菓子協会連合会)が発行していた協会事業誌の『ガトー』の編纂に携わり、洋菓子技術の普及に大きく貢献しました。その後は日本洋菓子協会連合会の会長に就任。
また日本の洋菓子の歴史を詳細に記録した1287ページにも及ぶ大著書「日本洋菓子歴史(1960年)」の編纂に携わり、またフランスやスイスから著名な菓子職人を呼び、日本全国を回って講習会を行い日本洋菓子界の技術向上に尽力しました。
ブールミッシュの創業者である吉田菊次郎の著書『お菓子を彩る偉人列伝』において、安西氏を次のように紹介しています。
第二次大戦で遅れをとっていた日本の製菓業界を、短期間にて一気に国際水準にまで押し上げた安西松夫の功績は、まさに我が国菓業界の中興の祖と評されるにふさわしいものである。
お菓子を彩る偉人列伝 吉田 菊次郎 (著)
高円寺の老舗洋菓子店は、そんな洋菓子界の重鎮が開いたお店だったのです。
トリアノンのケーキのラインナップ
今回紹介した2つのチーズケーキが意外にも、アップルパイやシュークリーム、ザッハトルテなどのケーキがあります。
その他には、マカロンやマドレーヌなどの焼き菓子、チョコレート、マカロンなども販売しており、もちろんテイクアウトも可能です。
トリアノントルテ
クリスマス限定のミニブッシュドノエル
喫茶スペースがある高円寺店と大久保店では、ナポリンタンやピザトースト、サンドイッチ、オムライス、カレーなど喫茶メニューも。
今回は、高円寺店を訪問したのだが、高円寺店は、レトロな喫茶店という感じ。
雰囲気たっぷりで70年代あたりのレトロな音楽が流れており、美味しいケーキ、コーヒーとともに至福のひと時を堪能できます。
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