今回紹介するのは、新宿伊勢丹にある洋菓子屋「repos by Pâtisserie ease(ルポ バイ パティスリー イーズ)」のフロマージュバニーユと、パイナップルとレアチーズのタルトの2つケーキです。
repos by Pâtisserie easeについて
「repos by Pâtisserie ease(ルポ バイ パティスリー イーズ)」は、新宿伊勢丹に2020年9月23日にオープンした洋菓子屋です。
銀座の人気店「ease」の系列店
reposは、日本橋兜町にある人気店のease(イーズ)が手掛けるお店です。
easeは2020年7月に東京・日本橋にオープンしたパティスリーです。オープン後、すぐに話題になり、『Hanako』や『ELLE』などの人気雑誌に何度か取り上げられています。『Hanako』の2021年3月号では、2021年を代表するパティスリーとしてeaseが紹介されている他、人気テレビ番組でも紹介されました。人気なのは、ワサビの風味があるショートケーキで、他にも独創的な洋菓子が並んでいます。
シェフを務めるのは、大山恵介さんです。大山さんは、銀座の名店として知られる「イデミスギノ」や、千駄木の予約が取れないレストランとして知られる「Sincere(シンシア)」での修行や、渡仏経験もある方です。洋菓子屋のみならずレストランでの勤務経験があり、これがeaseの独創的な洋菓子に生きているといいます。(参考 https://deandeluca-enjoy.com/article/interview_ease)
そしてeaseのオープンから2か月で、新宿伊勢丹というハイレベルなエリアに、2号店として「repos by Pâtisserie ease(ルポ バイ パティスリー イーズ)」をオープンしました。
また2021年7月には渋谷東急に、発酵・熟成バターのブランド「レリボ(Lait ribot)」をオープン(食べログ)。同年10月には、DEAN&DELUCAにてバターサンドの販売をスタートさせました(DEAN&DELUCA)。
easeとは違うコンセプトの洋菓子が並ぶ
reposでは、チーズケーキやタルトを使ったチーズケーキ、他にもプリンやロールケーキ、ショートケーキ、そして焼き菓子など、洋菓子が総合的に並びます。
店名に「Pâtisserie」という言葉を当てていますが、フランス由来の難解な菓子は少なく、ロールケーキやプリン、チーズケーキなど、馴染みのある洋菓子が中心です。easeとは違い、幅広い客層に届く菓子を提供することをコンセプトにしているそうです。
筆者はeaseも訪問したことがあるのですが、たしかにeaseはチーズケーキのようなシンプルで馴染みのある菓子はありませんでした。パティスリーという感じの、見た目からでは味や食感、材料がイメージできない、技巧を凝らした洋菓子が多めです。
一方でreposはロールケーキやチーズケーキ、プリンなど、概ね味や食感、材料がイメージできる、馴染みある洋菓子が多めです。それでもeaseの独創性は健在で、たとえばロールケーキには栃木のブランド卵「那須御養卵」を使用し、生クリームには玉露をブレンドしているといいます。(参考 https://www.mistore.jp/store/shinjuku/feature/foods/pickup/20072/19xx_014.html)
また後でも詳しく紹介しますが、チーズケーキは他店では味わったことがない、卵やクリームチーズの非常に豊かな風味と旨味を体感できます。
フロマージュバニーユ(ベイクドチーズケーキ)
reposのチーズケーキの1つであるフロマージュバニーユです。
リコッタチーズを使ったチーズケーキ
見た目はシンプルなチーズケーキですが、工夫が詰まっています。
クリームチーズだけでなく、リコッタチーズも使用しています。またやや高温で焼いており、いわゆるバスク風チーズケーキのような焼き方をすることで、表面を香ばしい色にし、中身はレアのようなしっとりした質感に仕上げています。
チーズケーキの魅力を体現した究極のチーズケーキ
口に運んで感じるのは、口どけの良さ、濃厚さ、味と風味の多彩さで、咀嚼した瞬間、材料が持つ味、風味、旨味が洪水のようにあふれ出し、圧倒されます。その様子は『笑ゥせぇるすまん』のもぐろふくぞうにドーンとやられた時のよう。
具体的に説明すると、まず食感は、高温、短時間で焼くことで、カスタードクリームのような、口どけのよい質感になっています。この口どけを堪能できるだけでも幸福感があります。
味は独特です。口に入れると、クリームチーズやバニラ、さらにリコッタチーズ特有の乳味を感じられます。何より独特なのは、卵の風味で、とても濃厚で風味豊かなです。スーパーで買える卵では絶対に出せない深みのある味で、卵にかなりこだわっていることがわかります。ちょっとブラウン系の色をしているのがその証拠です。
また砂糖も普通のしろ砂糖ではなく、ブラウン系の三温糖、もしくはきび砂糖などを使っているのではないかと思います。白系の砂糖では出せないような、深みというか、香ばしい風味を感じられます。
ジャムやナッツ、クリームなどのトッピングはなく、またクッキー生地もない、単一の生地のシンプルなチーズケーキです。しかしこの中に色々な材料が混ざっており、そして色々な味と風味が凝縮されています。小さな一口でも、それを感じることができるチーズケーキです。
このシンプルなチーズケーキに味と風味の無限の宇宙が広がっているような、そんなチーズケーキです。これはチーズケーキの魅力でもあります。そのチーズケーキの魅力をどこまでも体現した究極のチーズケーキです。誰もが食べるべきチーズケーキだといえます。
パイナップルとレアチーズのタルト(レアチーズを使ったフルーツタルト)
続いては、パイナップルとレアチーズのタルトです。こちらは完熟パイナップルとレアチーズにクランブルをあしらったタルトです。
上からクランブル、レアチーズクリーム、パイナップル、カスタードクリーム、タルト生地の、5層になったケーキです。パイナップルとカスタードクリーム、レアチーズを合わせた、なかなかお目にかかれない組み合わせです。
ジャンルとしては、チーズケーキというよりはフルーツとレアチーズを使ったタルトという感じでしょうか。
スポンジ生地のようなタルト生地
まず特徴的なのはタルト生地で、ジェノワーズのように柔らかく、そして咀嚼すると甘みがじゅわっと染み出します。
タルト生地といえば、サクサクやザクザク、あるいはモロモロしたクッキーのようなタルト生地が一般的です。一方でreposのタルト生地は外側はサクサクなのですが、内側はシロップを染み込ませたスポンジ生地のようになっています。こんなタルトを食べるのは初めてです。
全部がおいしいタルト
1つひとつの要素が本当にびっくりするぐらい美味しい。
レアチーズはほどよい塩味とコクと奥深い風味を感じられます。カスタードクリームは、こちらも卵にこだわっているのだと思いますが、深いコクと旨味を感じられます。ここまで魅力的で特徴的な味がするカスタードクリームは初めてです。
パイナップルはほどよい酸味と甘味とみずみずしさがあります。パイナップルは酸味が強いので、洋菓子に合うの疑問でしたが、カスタードクリームとレアチーズクリームの甘さがパイナップルの酸味とうまい具合に調和して、新しい味を生み出しています。
タルト生地とクランブルのハード系の食感も合わさり、口のなかは楽しさを幸福感に包まれます。そんな感動的な体験ができるタルトです。
公式サイトやお店のSNS
- 公式サイト(ease、repos)
- reposのinstagram
- easeのInstagram
- 食べログ(repos)
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