主にデパ地下やショッピングセンターなどに出店している洋菓子屋の「C3(シーキューブ)」のスイーツを紹介します。
ちなみにシーキューブは、アンリシャルパンティの系列店です。シュゼットという会社が手掛けるブランドの1つです。
本記事ではそんな「C3(シーキューブ)」の人気チーズケーキ「北海道フロマージュフォンデュ」と「焼きティラミス」、カップティラミスを紹介します。
- 公式サイト
- [シーキューブ公式オンラインショップ](焼きティラミスなどの一部の商品が取り寄せ可能)
- お店のInstagram
- 「シーキューブ」をTwitterで検索(口コミなどがわかります)
北海道フロマージュフォンデュ(チーズケーキ)
C3(シーキューブ)を代表するチーズケーキが、この「北海道フロマージュフォンデュ」です。
人気No.3というこのチーズケーキは、全体がタルト生地で覆われています。簡単にいえば、大きなチーズタルトです。
タルト生地で全体が覆われている様子は容器のようで、だから”フォンデュ”なのでしょう。
箱を開けるとバニラのようなクリームのような香りが立ち込めます。何もしなければチーズケーキは基本的に香りはありません。だから恐らく、香りを発する何かを使っているのでしょう。
まさにフォンデュ
断面は以下の通り。
上層にはホイップクリーム、下はトロトロのチーズクリーム。断面を見ると、タルト生地が容器のようになっているのがわかります。まさにフォンデュです。フォンデュのように、ブロッコリーやベーコンを突っ込むわけにはいきません。
似たようチーズケーキは他店にもある
実はこのようなチーズケーキは、他店でも発売されています。有名なのは、寿製菓のKANOZA(カノザ)というブランドが発売している「フロマージュ・フォンデュ」という商品です。
※詳細はこちら
同じく全体がタルト生地で覆われており、中身がふわふわでトロトロ。ただし後で説明しますが、まったく同じというわけではありません。
ザクザクとトロトロを同時に楽しめる
フォンデュというだけあって中身は非常にやわらい。チーズクリームはカスタードクリームに近いぐらいトロトロでふるふるな質感です。
どれくらい柔らかいかは、以下の動画の2:26あたりをご覧いただければわかると思います。
このふるふるでトロトロのチーズケーキを、すくうようにして食べる感じはまさにチーズフォンデュです。
一方でタルト生地はザクザクしています。普通のクッキーかと思われるくらいザクザクです。
トロトロとザクザク。食感における緩急がすごい。この真逆の食感を一度に楽しめるのは楽しいものです。
さて味についてですが、クリームの味は甘さもある一方で酸味も感じられます。この酸味はほどよいもので、バランスを整えてくれています。
またクッキー生地も良い味をしていて、クッキー生地そのものの味がおいしいです。バターの香ばしい風味を感じられます。
見た目の楽しさ、食感の楽しさ、そしておいしさ。あらゆる点において高評価をつけたいチーズケーキです。
KANOZAは「フワッ」、シーキューブは「トロッ」のフロマージュフォンデュ
先に紹介したKANOZA(カノザ)の「フロマージュ・フォンデュ」と比較してみると、まずKANOZAはメレンゲを使ったフワッとした質感のチーズケーキでした。
一方で今回紹介したC3(シーキューブ)のものは、チーズフォンデュを彷彿とさせるクリームに近いチーズケーキです。
KANOZA(カノザ)はフワッとしたフロマージュフォンデュ。C3(シーキューブ)はトロッとしたフロマージュフォンデュ。
どちらがいいかは完全に好みの問題ですが、僕としては今回食べたC3(シーキューブ)のほうが、好きです。食感の楽しいからです。
ホールケーキならではの特別感あるチーズケーキ
最近はカットケーキや手のひらに載るくらいの小さないサイズのケーキが増えています。大手の洋菓子や街のケーキ屋も、1人前サイズのケーキのラインナップを充実させています。
そういった昨今の流れからみますと、この「北海道フロマージュフォンデュ」は時代とは逆行しているといえるかもしれませんが、やはりこの大きいサイズのケーキには、小さいサイズのケーキにはない特別感と非日常感があります。
この「北海道フロマージュフォンデュ」は、残念ながら取り寄せることはできません。またシーキューブはそれほど店舗も多くありません。生菓子なので日持ちもしませんし、持ち運びにも気を使います。決して手軽に購入できるものではありません。
しかしだからこそ特別感があるともいえます。
孤食の時代、個人の時代。人々が1人で食事をするのが当たり前になっても、こういった大きなサイズのケーキは、これからも存続してほしいと思います。
値段、カロリー、日持ち
値段 | 1500円 |
カロリー | 1526kcal |
日持ち | 当日中 |
製造者・販売者 | 株式会社シュゼット |
ティラミスカップ
続いてはこちは店頭で販売しているティラミスカップです。
1人サイズで、値段は496円です。
表面にはマスカルポーネクリームと薄い板チョコが添えられています。
その中身は白いティラミクリームとコーヒーが染み込んだスポンジが相互に重なる形で層になっています。
ふわふわで口どけを感じるクリームに、コーヒーの味が染み込んだスポンジを楽しめる、ティラミスの魅力を最大限に表現したティラミスです。また表面のチョコレートもいいアクセントになっています。
ちなみにこのティラミスカップは、いちごやマンゴー、抹茶などのフレーバーがあります(季節限定のフレーバーもあります)。
抹茶のティラミスは他店でも度々見かけますが、苺やマンゴーのティラミスはかなり珍しいです。どんな味なのか気になります。
食べる機会があれば、この記事で紹介したいと思います。
またティラミスカップは[シーキューブ公式オンラインショップ]でも購入できるようです。
焼きティラミス(ティラミス味の焼き菓子)
続いてはC3(シーキューブ)の焼きティラミス。
一般的なティラミスは生菓子ですが、こちらは焼き菓子です。フィナンシェのような質感のお菓子で、常温保存が可能であり、またある程度日持ちします。手土産にもってこいの商品です。
今回は4個入(630円)を購入しましたが、店舗では1個単位で購入も可能です。
マドレーヌとティラミスを合体させたような焼き菓子
ちなみにこの焼きティラミスは、マドレーヌのような質感の菓子に、生地にマスカルポーネを使い、また中にコーヒーシロップを染み込ませています。ものすごく簡単にいいますと、カフェラテ味のマドレーヌでしょうか。
個人店から大手チェーン店まで、多くの洋菓子屋が焼き菓子を販売していますが、このようなティラミスとマドレーヌを合体させた焼き菓子を販売しているのは、おそらくC3(シーキューブ)だけでしょう。
ちなみにコーヒーは、このために厳選した深煎りコーヒーを使用しているらしいです。たしかに、こういった焼き菓子でありながら、深煎りを思わせるビターな風味を楽しむことができました。
しっかりコーヒーの味がするので、コーヒーが苦手な人にはおすすめできませんが、コーヒーが好きな方、なによりティラミスが好きな方は十分に楽しめるはずです。
ちなみに焼きティラミスはお店だけでなく、オンラインショップでも購入することができます。また楽天も公式ショップが販売しています。
C3(シーキューブ)とは?(お店のこだわりや運営会社など)
C3(シーキューブ)は全国に約40店を出店するチェーンの洋菓子屋です(店舗一覧)。店舗の多くは伊勢丹や小田急、ルミネといった駅ビル、百貨店、その他エキュートといった駅ナカなど、その店舗のほぼすべてが複合商業施設内にあります。
つまり一般的なケーキ屋のような、単体の店舗をもっていないわけであり、いわゆるデパ地下系の洋菓子屋だといえます(デパ地下系の洋菓子屋というのは筆者が勝手にそう呼んでいるだけ)。
商品のラインナップはとても豊富で、日持ちし、持ち運びに便利な焼き菓子はもちろんのこと、個人系のケーキ屋に引けを取らない手間暇かかった生菓子、1人前サイズのケーキから3人、4人でシェアできるホールケーキなど、幅広く洋菓子を取りそろえている(シーキューブの商品一覧)。
ラインナップの豊富さと完成度の高さは、モロゾフやアンテノール、ユーハイム、ヴィタメールといった同じくデパ地下系の洋菓子屋ともまったく引けを取りません。
またC3(シーキューブ)は、店舗だけでなくオンラインショップもあります。この記事で紹介している「北海道フロマージュフォンデュ」は実店舗限定ですが、人気の「焼きティラミス」や冷凍のティラミス、クッキーなどは公式オンラインショップや楽天でも購入できます。(公式オンラインショップ)
材料にこだわり、また就農支援も実施している
C3(シーキューブ)は洋菓子に使う材料にもこだわっています。単に高くて質が材料を使っているというわけではなく、地域や酪農家、環境にも配慮しています。
たとえば洋菓子に使う乳製品(クリームチーズやマスカルポーネなど)は、北海道で採れた生乳からつくったものを使用しています。
しかもシーキューブは、根釧地区の生乳を使った商品を開発し、その売上の一部を就農支援として寄付しています。これは毎年多くの酪農家が離職している現状に危機感を持ったことがきっかけだといいます。
乳製品はフランスやデンマークなどが高品質との評判があり、特にチーズケーキの材料に使うクリームチーズについては、多くのケーキ屋がフランス産やデンマーク産などの外国産を使用しています。
一方のシーキューブは日本の材料を使い、しかも生産者の支援にも取り組んでいます。このように日本の材料を使うことは、日本の産業にとっても良いことですし、また近い場所で生産された材料を使うことは、輸送コストを減らすことにも繋がり、地球環境の保全になります。
少し話がそれますが、フランスの経済学者、ジャック・アタリ氏は、現在のような農業や牧畜の形態が継続するなら、地球は人類が暮らせない場所になると述べている(食の歴史―人類はこれまで何を食べてきたのか)。
環境に配慮せず、安く大量に食料を生産するような態度を続ければ、その先に人類の未来はないということです。
そしてジャック・アタリ氏は、最悪なシナリオを回避するための手段として個人がやるべきことは「利他的に行動すること」だと主張しています。これは他者と自然にとって良いものを消費することが、自分自身のためにもなるという考え方で、「食の利他主義」という言葉で紹介しています。
またその具体的な取り組みの1つとして地産地消をあげています。地産地消は、輸送にかかる環境負荷を軽減するので、自然に良いとされています。また国内経済にとっても良いことは間違いありません。つまり他人とっても自然にとってもいい取り組みであり、地球の未来のための消費行動というわけです。
このジャック・アタリ氏の主張にならうのであれば、シーキューブの取り組みは地球の未来にとって良い取り組みだといえます。
もちろん材料にこだわるがゆえにフランス産やデンマーク産の乳製品を使うのは、決して悪いことではありません。日本の材料では本場の味を出せないということもあるでしょう。海外産の材料を使うことは批判する気は毛頭ありません。しかしできれば、地球や日本のことを真剣に考えてくれる企業が増えてくれることを願います。
話が逸れたが、つまりシーキューブは今風の言葉でいうところの、サスティナブルな取り組みを実施しているお店だといえるのです。
※参考:https://www.suzette-shop.jp/shop/c/cC3/
アンリ・シャルパンティエの系列店
「C3(シーキューブ)」はブランドで、運営しているのは「株式会社シュゼット」という会社です。シュゼットは同じくデパ地下系の洋菓子屋である「アンリ・シャルパンティエ」と「casaneo(カサネオ)」を運営しています。
「アンリ・シャルパンティエ」は全国に99店を展開する大手の洋菓子屋で、以前もこのブログで紹介しました。デパ地下では定番のお店なので、デパ地下によく行く人ならご存知かと思います。
シーキューブを運営している株式会社シュゼットは、1969年、兵庫県芦屋市にて「株式会社アンリ・シャルパンティエ」として創業しました。
順調に業績を伸ばし、1987年に新ブランドとして「C³(シーキューブ)」を宝塚西武百貨店にオープンした(宝塚店は現在閉店)。
2016年に株式会社シュゼット・ホールディングスが設立されて現在にいたる(シュゼットの公式サイト)。
各種リンク(公式サイトなど)
その他関連ページ(当ブログ)
同じくフォンデュ風チーズケーキを販売しているカノザのチーズケーキはこちら。
またTiMiという焼き菓子専門店では、焼き菓子タイプのフォンデュ風チーズケーキを販売しています。以下のページで詳しく解説しています。
その他系列店のアンリ・シャルパンティエのチーズケーキはこちら。