2022年7月12日にファミリーマートから「クレメダンジュ」という名前のスイーツが販売されました。こちらはカップタイプのスイーツです。レアチーズクリームの中にはラズベリーソース、そして土台にはスポンジを敷いています。スポンジを敷いたクレメダンジュは初めてです。
商品名と、そしてベリーソースを包んだレアチーズケーキという構造から察するに、この商品はフランスの地方菓子として知られる「クレームダンジュ」(クレメダンジュとも呼ばれる)を模したものだと考えられます。というより明らかにそうです。
クレメダンジュはフランスの地方菓子として知られる
フランスの地方菓子として知られるクレームダンジュ(Crémet d’Anjou)は、1900年頃にフランスのアンジュ地方と呼ばれる場所で生まれたチーズ菓子です。現在のフランスで食べられています。そして日本でもコンビニやカフェで売られることがあります。クレメダンジュについては以下のページで詳しく解説しています。
※クレメダンジュ(クレームダンジュ)の名前の由来や歴史について
※過去に当ブログで紹介したクレームダンジュはこちら
クレメダンジュという名前で販売
ちなみに今回ファミリーマートは「クレメダンジュ」という商品名で販売しました。これはフランス菓子の「Crémet d’Anjou」の発音に寄せた商品名です。日本では「クレームダンジュ」という名前が使われることもありますが、発音的には「クレメダンジュ」です。
日本ではクレメダンジュもクレームダンジュも、どちらの呼び方も普及しているので、どちらが正しいということはないでしょう。クレームダンジュとクレメダンジュの2つの呼び方が存在する理由は、以下のページで考察しています。
※クレームダンジュ、クレメダンジュ(Crémet d’Anjou)とは? 歴史と特徴を解説
前例が少ないカップタイプのクレメダンジュ
ファミリーマートのクレメダンジュはカップタイプです。
一方で、これまで販売されてきたクレメダンジュ(クレームダンジュ)はどれもガーゼに包まれており、それを皿に出して食べるタイプでした。たとえば成城石井やローソンストア100、その他ファミリーレストランや回転寿司などが、クレームダンジュ(クレメダンジュ)を販売してきましたが、どれもそのタイプでした。
カップタイプのクレームダンジュを販売していたのは、これまで食べたものだと、チーズガーデンだけです。
本来のクレメダンジュは、チーズや生クリームを併せたものをガーゼで包んで水切りした菓子だそうです。
一方で、カーゼで包まれたタイプのクレームダンジュ(クレメダンジュ)は、手が汚れるし、皿に出さなければいけないので、手間がかかります。反面、カップタイプは食べやすいです。
食べやすいが、従来のカップタイプのレアチーズケーキと変わらないのでは
さて、今回のファミリーマートのクレメダンジュですが、クレメダンジュ特有の(フランスの本場のクレメダンジュは食べたことはありませんが)、ムースのふわふわ感のようなものは、存分に楽しめます。またラズベリーソースもほどよい甘みと酸味で、いいアクセントになっています。
一方で残念な点もあります。ファミリーマートのクレメダンジュにはスポンジが入っています。私がこれまで食べたクレメダンジュ(クレームダンジュ)で、スポンジが入っていたものはありません。海外のサイトやSNSを見てみると、クレメダンジュはスポンジを使わないのが一般的のようです。
しかしファミリーマートのクレメダンジュにはスポンジが入っています。本来のクレメダンジュにはないと思われる要素が加えられているのです。
カップタイプであることも相まって、今回のクレメダンジュは、どこか既視感のある、目新しさがないつまらないスイーツになってしまっています。
ちなみにファミリーマートは、以前、似たようなスイーツを販売していました。
「ふんわりクリームレアチーズ」という商品でレアチーズにベリーソース、スポンジなど、その構成は今回のクレメダンジュと同じです。もちろん細かい材料は違うと思いますが、全体的な印象は似ています。ゆえに今回のクレメダンジュも、既視感がある「美味しいけど、よくあるコンビニスイーツ」になってしまったのです。
「常に目新しいスイーツを出し続けるべきだ」といいたいわけではありません。しかし個人的には、「クレメダンジュ」という名前で販売するなら、スポンジは使わず、チーズクリームとベリーソースの味だけで勝負してほしかったと思います。スポンジを使い、過去にあったようなスイーツを販売するなら「ベリーのレアチーズ」といった、よくある商品名でもよかったのではないでしょうか。
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過去に紹介したファミリーマートのチーズケーキは以下のページです。
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