神戸北野発祥の洋菓子屋アンテノール。現在では全国のデパ地下に出店する有名・人気のこのお店のチーズケーキをこのページではまとめて紹介していく。
アンテノールは季節によってケーキのラインナップが変わる。そのためこのページには季節によって変わるチーズケーキを、その都度追記していければと思う。
またアンテノールには季節限定のケーキも多いので、ここで紹介しているケーキが季節の移り変わりによって終了してしまう場合もあるのでご了承いただきたい。
アンテノール(ANTENOR)について、その歴史やケーキのラインナップなど
「 アンテノール」は全国に約40の店舗を展開する洋菓子屋だ。阪急百貨店や近鉄百貨店、大丸、三越、丸井、西武など、店舗のほとんどが百貨店にある(店舗一覧)。百貨店以外だと、ショッピングモールや駅ビルなど店舗があるが、いずれにしても複合商業施設に出店している。
トップスやモロゾフ、グラマシーニューヨークといったデパ地下系の洋菓子屋といえる。(デパ地下系洋菓子屋のチーズケーキまとめ)
アンテノールは1978年、異人館の街、神戸北野で誕生した。「ヨーロッパの伝統を通じて真摯に味と技の革新に挑む」がコンセプトであり、大量生産的なケーキではなく、個人の洋菓子屋のような、素材や技術にこだわった洋菓子を販売している。
ちなみにブランド名の「アンテノール」は、ギリシャ神話の知将に由来している。真摯に味の追求を行うアルティザン(職人)集団の誇りを象徴するものとして名付けられているそうだ。
アンテノールは株式会社エーデルワイスのブランド
アンテノールは「株式会社エーデルワイス」が展開しているブランドの1つである。
株式会社エーデルワイスは他にも、チョコレート菓子の専門店「WITTAMER(ヴィタメール)」や四季菓子の店「HIBIKA(ひびか)」、本物のフランスパンが楽しめるベーカリー「LE BIHAN(ルビアン)」などを展開している。(エーデルワイスのブランド一覧)
エーデルワイスのブランドは、素材や技術にこだわった、質重視・伝統重視的なブランドが多いように思う。
たとえばチョコレートの「WITTAMER(ヴィタメール)」は、1910年からベルギー・ブリュッセルで愛され続けている、王室御用達のチョコレート専門店だ。WITTAMERは、エーデルワイス社と技術提携を行うことで、日本に進出した。
またフランスパンのルビアンは、1913年フランス・ブルターニュに創業した老舗で、エーデルワイスが橋渡し役となり、日本展開を果たしている。
アンテノールは日本生まれだが、やはり伝統や技術にこだわり、本物を追求している。職人たちはヨーロッパに修行にいき新しい素材や、お菓子の表現、トレンドなどにふれることで感性を高め、本物を追求し続けているという。
その質重視・伝統重視的な姿勢は、全国に40ほどの店舗をかかえながら個人店のような凝ったケーキを販売している様子から十分にうかがえる。
季節を感じさせてくれるケーキも
アンテノールは季節ごとにケーキのラインナップが大幅に変わる。たとえばこの記事で紹介している、レモンやマンゴーを使ったチーズケーキは、夏に発売された季節限定のケーキだ。
以前、秋に訪問したときにはなかったケーキであり、季節感を重視した洋菓子屋であることがわかる。(ケーキのラインナップは公式サイトで確認できる)
季節限定のケーキがたくさんある一方で、定番のケーキもある。バスクチーズケーキやフロマージュキューブなどがその一例だ(詳細は後述)。
【2020年11月追記】ベイクドチーズケーキ
こちら2020年11月3日に購入したベイクドチーズケーキだ。季節の果物を使っているわけではなく、普通のベイクドチーズケーキではあるが、季節限定かもしれない。
このブログではアンテノールのチーズケーキをいくつか紹介しているが、多くは果物を使っているチーズケーキだ。
チーズケーキ以外の他のケーキに関しても旬の果物を使用している場合が多く、アンテノールは概して季節感を大切にしている洋菓子屋であると考えられる。
つまりこちらのような果物を使用していない、いわゆる普通のベイクドチーズケーキは、例外的でもあるのだ。
それにしてもさすがデパ地下の洋菓子屋なだけあって、シンプルチーズケーキなのに非常に華やかな外見をしている。
表面にホイップクリームをトッピングし、さらに表面にナパージュのコーティング。アンテノールの威厳というか、プライドが垣間見える。
ちなみにこのチーズケーキは扇形であるが、四角だったこともあるようだ。
北海道産クリームチーズを使ったコクのある味わいのチーズケーキに、宮崎県産日向夏のさわやかなコンフィチュールを焼き込んだ「日向夏のベイクドチーズケーキ」1個540円(税込)。地下1階<アンテノール>#日向夏 #チーズケーキ #スイーツ pic.twitter.com/1wehaXIClb
— 小田急百貨店 町田店【公式】 (@odakyu_m) April 11, 2019
スフレに近いふわふわ、しゅくしゅく感を楽しめるチーズケーキ
さて味や食感についてだが、スフレにちかいふわふわ感を楽しめるチーズケーキになっている。
ねっとり系とは違い、「ふわっ」「しゅく」といったスフレのような、気泡をつぶす質感を感じられるのである。
アンテノールの公式Instagramアカウントに投稿されている同様のチーズケーキの紹介には、「泡立てたメレンゲを充分にふくませ、きめ細かにふんわり軽く焼き上げました。」と記載されている。つまり、メレンゲを混ぜたベイクドチーズケーキということであり、スフレチーズケーキに近い作り方をしているのだ。
この柔らかいチーズケーキからは、クリームチーズの豊かな風味がこみ上げてくる。美味しいことは間違い。
ただ個人的にはスフレ系よりも、ねっとりしたチーズケーキやしっとりしたモイスト感のあるチーズケーキが好きなので、恐らくのこのチーズケーキをリピートすることはないと思う。
一方で、スフレ系のチーズケーキが好きな方は存分に美味しくいただけると思う。
【季節限定】瀬戸内レモンのチーズケーキ
※アンテノールのケーキの紹介動画
北海道クリームチーズを使用し、レモンのジャムを巻き込んで焼いたベイクドチーズケーキとのこと。
表面にはホイップクリームとレモンピールがトッピングされている。断面からなんとなくみえるのは、レモンのジャムだろう。
それにしてもやはりデパートのケーキは華やかだ。
表面はゼラチンでコーティングし、また小さくカットしたレモンピールをトッピングしており、とても手が込んでいる。
コンビニスイーツのクオリティが上がりケーキ屋が苦戦しているという話を時々耳にするが、まだまだデパートの存在意義は大きいように思う。
デパートのケーキとコンビニのケーキを比較をするなんて野暮なのかもしれないが、やはりデパートのケーキは華やかで、特別感が大きい。
デパートには、これからもぜひ質と技術を追求したケーキを、どうにか作りつづけてほしい。日本のデパート文化を象徴するものとして。
ほどよい味の食べやすいチーズケーキ
味についても「さすが」という感じだ。
スフレとベイクドの中間くらいの質感のチーズケーキで、ふわっとしたやさしい口あたりを感じられる。
心地よい乳製品の風味が口にひろがり、そこから抜けていくレモンのやさしい酸味がアクセントになっている。
あまりレモンの苦味は好きではないが、このレモンピールは苦味もなく、またエグミもなく、程よい酸味で、いい引き立て役になっている。
厚めのクッキー生地はザクザクという軽快は食感を与えてくれる。スフレに近いチーズケーキと対極的な食感で、緩急がうまれて、咀嚼が楽しい。
個人的に酸味を強調させてチーズケーキが苦手なので、この「瀬戸内レモンのチーズケーキ」にはあまり期待していなかった。しかしレモンの苦味も酸味も控えめで、予想をはるかにこえる満足感だ。
レモンの酸味が好きな人からすると、「もう少しレモンの風味がほしい」と思うかもしれないが、筆者にとってはベストな塩梅であった。
値段と商品説明
値段:550円
北海道産クリームチーズのコクに瀬戸内レモンの甘酸っぱいコンフィチュールを焼き込んで。 しっとり、ふんわりの絶妙な食感です。
店舗メニューの商品説明より
【季節限定】マンゴーレアチーズ
続いては「マンゴー・レアチーズ」。
表面に乗っている果実はアップルマンゴーで、ジュレも添えられている。断面から見えるのは、レアチーズムースと、マンゴーのムースだ。土台にはクッキー生地があって、要素の多さと見ための華やかさに驚かされる。
表面、断面も非常に美しい。
全国チェーンでありながら、こんなに凝ったケーキを作れるなんて、正直信じられない。一度、製造の裏側をのぞいてみたいものだ。
味の彩りと、口どけの良さを楽しめるケーキ
甘いアップルマンゴーの果実の味を楽しみつつ、同時にレアチーズムースとマンゴーのムースの口溶けのよさとコクを楽しめる。
フルーツの味もチーズクリームも味も、果肉の食感もムースのしっとりした口溶けも楽しめる。
さらにえばクッキー生地はザクザクしておりこれがいいアクセントになっている。
いろいろ味を、食感を、一口で楽しめる贅沢なチーズケーキなのだ。
こういったいろいろな要素を楽しめるチーズケーキは個人系の洋菓子屋・パティスリーに多い。
こういった手が込んだケーキを全国に展開するチェーンのケーキ屋がやっているのだが、すごいとしかいいようがない。いったいどんな生産体制なのだろうか。
値段と商品説明
値段:550円
レアチーズムースでフルーティーなマンゴーのムースを包みました。香りたかいアップルマンゴーの果肉と一緒に召し上がれ
店舗の商品説明より
【店舗限定】バスクチーズケーキ
ケーキ屋っぽさ抜群の箱。値段は277円。
以前食べた成城石井のバスクチーズケーキが399円。広尾や白金のバスクチーズケーキ専門店だと700円前後。
アンテノールは277円で、他店の比較すると手頃に感じる。
ちなみにサイズはローソンのバスチーと同じくらい。表面の焦げ具合がいい感だ。
時々みかける「バスクチーズケーキ風のチーズケーキ」とは違う、ちゃんとしたバスクチーズケーキだ。
ねっとり食感を楽しめるバスクチーズケーキ
カスタードクリームに比べるともう少し粘度がある舌触り。「ねっとり」と表現できるレベルの質感。たとえていうなら、クリームチーズと同じくらいの食感だろうか。
バスクチーズケーキは、ものによってはカスタードクリームくらいトロトロになっていたり、もしくはモソモソさせている場合もある。
たとえば「6th by oriental hotel」のバスクチーズケーキはとくにトロトロだった。
一方でアンテノールのバスクチーズケーキはねっとり感が強い。クリームチーズケーキを大量に使って蒸し焼きにする、ニューヨークチーズケーキに近い。
そして口当たりは濃厚でどっしりしており、ガツンと舌に訴えかけてくる感じがある。
甘いだけではなく、塩っ気もある深みのある味
味の印象は「甘め」だが、ただ単に甘いのではなく、深いところに塩気があったり、たまごのまろやかさや、クリームチーズの豊かな風味を感じられる。
さすが老舗の洋菓子店だ。妥協がない。
ここまでしっかりクリームチーズの塩っ気があるバスクチーズケーキは意外となくて、たいてい甘くなってしまう。しかし、アンテノールのバスクチーズケーキは、クリームチーズの塩っ気がしっかりわかるくらいの甘さに抑えている。277円という比較的お手頃なバスクチーズケーキながら本格的だ。
値段、日持ちについて
値段 | 277円 |
日持ち | 当日中 |
フロマージュキューブ
「FROMAGE CUBE(フロマージュキューブ)」というチーズケーキ。
キャンディーのように紙に包まれており、頑張ればひと口で食べられるくらいのサイズになっている。
上と下にはクッキー生地。その間にチーズケーキが挟まっている。ひと口で、チーズケーキの魅力を一気に楽しめるスイーツというわけだ。
チーズケーキ部分はねっとりした食感で、チーズケーキ感を存分に楽しめる。
さらに上下のクッキー生地から、バターの風味とサクサクした食感が加わる。ねっとりしていて濃厚で風味を存分に楽しめる。
小さいながら本格的なチーズケーキを堪能できる完成度が高いスイーツだ。
値段、カロリー、日持ちについて
値段 | 3個:558円 4個:744円 5個:926円 |
カロリー | 113kcal /個 |
日持ち | 購入から2日ほど |
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