「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」は、東急大井町線の等々力駅と尾山台駅の間にある洋菓子屋です。
2015年にオープンしたお店で、『Hanako』の2021年3月号のときめくスイーツ大賞をはじめとして、ファッション誌から生活雑誌、旅行系雑誌など様々な雑誌で紹介されている店です。
今回はこちらのチーズをつかったプチガトーを2つ紹介します。
洋菓子屋の激戦区にあるASAKO IWAYANAGI
最初にASAKO IWAYANAGIの店の特徴について簡単に紹介します。
ASAKO IWAYANAGIは世田谷区にあります。最寄り駅は前述のとおり大井町線の等々力駅と尾山台駅です。
今回は等々力駅を利用したのですが、小さい駅にもかかわらず、東急線沿線の世田谷区ということで高級系スーパーの成城石井があり、気品のある住宅地という感じでした。
もう1つの最寄り駅である尾山台駅も世田谷区に属しており、こちらも上品なイメージが定着ている街です。日本洋菓子界の巨匠が手掛ける名店「オーボンヴュータン」も尾山台にあります(オーボンヴュータンについてはこちら)。さらに歴史ある洋菓子屋や実力のあるパティシエの店が集まる近く自由が丘も徒歩圏内(20分ほど)です。このエリアは美味しいスイーツを求める舌の肥えた人たちが集まる場所といえます。
ASAKO IWAYANAGIはそんな街にあります。
オーナーでありシェフの岩柳麻子さんです。婦人画報のウェブマガジンによると、岩柳さんは染色家として活動後、独学で洋菓子を学び、その後「pâtisserie de bon coeur( パティスリー・ドゥ・ボン・クーフゥ )」「LE COFFRET DE COEUR(ル コフレ ドゥ クーフゥ)」でシェフを務め、2015年に自身の店を開きました(https://fujingaho.ringbell.co.jp/shop/b/basakoiwayanagi/)。
岩柳さんが務めていた「pâtisserie de bon coeur」は武蔵小山にある洋菓子屋です。もう1つの「LE COFFRET DE COEUR」 は白金台にある洋菓子屋で、どちらも同じ系列です。以前のこのブログで紹介した神保町の「Dixans(ディゾン)」も同じ系列です。
これらの店はシックな店舗デザインと、洗練されたケーキで非常に人気の店です。岩柳さんはこれらの店で経験を積んだわけですが、「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」のシックで洗練された店舗デザインからは、前述の2店と同じ世界観があるような気がします。
お店には2つの建物があります。1はプチガトーと焼き菓子を販売しており、こちらにはイートインスペースがあります。その隣の建物にはショコラトリーがあります。
イートインは予約制で、イートインでしか食べられないメニューを提供しています。とくにパフェが人気のようで、雑誌やネット記事、SNSでもパフェが紹介されているのをよくみかけます。イートインの予約は公式サイトからとなります(公式サイト)。
今回は2つのプチガトーを購入しました。
2種の半生チーズケーキとスペシャリテのクレアです。
クレア
まずはクレアです。ショーケースにスペシャリテと書いてあったので思わず購入してしまったケーキです。
チーズムース、イチゴソース、求肥のケーキ
「ムースのなかに季節の果物とソースを忍ばせ、求肥で包みました」とのこと。和菓子と洋菓子を融合させたケーキです。
また表面の装飾も手が込んでいます。端的に言って素晴らしい。
もちもちとしたやわらかい求肥。その中にふわふわで、手を添えるように優しい味わいのムースがあります。
さらにその中にはイチゴのソースが入っています。このイチゴソースが印象的で、力強さがある一方で上品さもあります。優しもありながら、強さ、気高さがあり、存在感があるのです。
求肥、チーズムース、イチゴソース、これら1つ1つの要素が口のなかで混ざり合い、新しい味を生み出します。3つの人格が溶け合うような、そんな不思議な感覚に感動を覚えるケーキです。
他店で見かけた求肥とチーズムースのケーキ
ちなみにチーズムースと求肥の組み合わせは他店でもみかけたことがあります。練馬にあるアルカションと、新江古田にあるロートンヌです。
どちらもフロマージュ・クリュという名前で販売しており、チーズムースを求肥で包んでいました。一方であるアルカションは土台はクッキー生地で中はベリーソース。ロートンヌは、土台はジェノワーズで中にはパイナップルの果肉を入れていました。
2層の半生チーズケーキのライム味
続いては2層の半生チーズケーキです。
上にのっている丸いクリームのようなものはレアチーズです。その下、本体となっている部分もチーズケーキです。土台はクッキー生地です。
ライムを使用しており、ケーキの箱を開けた瞬間に爽やかなライムの香りを楽しめます。
一番上のレアチーズは、ムースのようにふわふわです。どっしりくる感じはなく謙虚な口当たりです。一方で、味の深みがあってこれ単体でも味わい深さがあります。
下の層は、ややねっとりしています。「半生」なので、軽めに火は入れているのでしょう。若干ベイクドチーズケーキのようなねっとり感があります。
一方で、絶妙な焼き加減に仕上げているのか、モイストな感じ、あるいはしっとりととろけるよな舌触りもあります。
そして土台のクッキー生地はサクサクと軽快な歯ごたえを楽しませてくれます。ナッツの風味も感じられます。
3層を同時に食べるとまさに極上です。サクサク、ふわふわ、ねっとり、それぞれ異なる3つの楽しい食感と、優しさ、上品さ、力強さ、謙虚、爽やかさなど様座な側面を感じられます。
そしてたびたび感じるライムの酸味がとてもいいアクセントになっています。一口ひとくちが本当に楽しいチーズケーキです。
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