今回紹介するのはドイツ・ドレスデンの地方菓子として知られる「アイアシェッケ(Eierschecke)」というチーズケーキ。
このアイアシェッケは一般的なチーズケーキとはだいぶ違う見た目をしています。また販売しているお店が少ない珍しいチーズケーキでもあります。
そんなアイアシェッケを販売しているのは、滋賀県守山市の「ドゥブルベ・ボレロ(W・ボレロ)」という洋菓子屋。アイアシェッケとは何なのかを紹介するとともに、お店についても一緒に紹介していきます。
アイアシェッケ(Eierschecke)について
アイアシェッケとは?
アイアシェッケ(Eierschecke)は、ドイツのザクセン地方、特にドレスデンの地方菓子のことです。
アイア(Eier)はドイツ語で卵のこと。シュッケ(Schecke)は、「まだらの」という意味。先に掲載した写真のように今回購入したアイアシェッケは普通のケーキという感じですが、もともとは卵焼きのようなまだら模様のケーキだったそうです。
その様子からアイアシェッケという「まだらな卵焼き」といった意味の名前のケーキになったといいます。
アイアシェッケは3~4層のケーキ
アイアシェッケには厳密なレシピがあるわけではありません。店によって材料や層の数が違う場合があるそうなのですが、基本的には3〜4層で、カスタードクリームの層、スポンジもしくはクッキー生地の層、チーズクリームの層などで構成されているといいます。
※参考:アイアシェッケwikipedia
ドゥブルベ・ボレロのアイアシェッケはラムレーズンを使った4層のケーキ
今回購入した「ドゥブルベ・ボレロ」のアイアシェッケは以下の写真のように、4層タイプです。
- そぼろ状のクッキー生地(シュトロイゼル)
- カスタードとバターの生地(ブッターマッセ)
- ラムレーズンが入ったチーズクリームの生地(クレーメケーゼマッセ)
- サブレ生地(ミュルプタイク)
他店のアイアシェッケにおいてもレーズンを使っている例がありますが、必ずしもレーズンが必要というわけではないようです。
それにしても、表面にシュトロイゼルをあしらいレーズンを使った3、4層からなるチーズケーキというのは、成城石井のプレミアムチーズケーキを彷彿とさせます。もしかしたら成城石井は、アイアシェッケをイメージしてプレミアムチーズケーキを開発したのかもしれません。
味、食感、風味、ぜんぶ美味しいチーズケーキ
アイアシェッケを食べるのは初めてなので他店との比較はできませんが、その味や食感を紹介できればと思います。
食感はねっとりしていて、ベイクドチーズケーキ感があります。
2層目にあるバターとカスタードクリームの層と、3層目のチーズクリームの層はコクがあって、また乳製品や卵が持つまろやかで心地よい味と風味を感じられます。
また時々見え隠れするラムレーズンの味と風味、食感が非常にいいです。
素材の美味しさも感じられる
カスタード、バター、クリームチーズ、レーズン、クッキーなどは洋菓子の王道ともいえる材料であり、これらの組み合わせが美味しくないはずがありません。
しかしながらそれだけではなく、素材の良さというか、素材そのものが持つ美味しさを感じられます。
たとえばバターは発酵バターを使っているそうなのですが、その奥深い味を存分に感じられるのです。
一度は食べるべきチーズケーキ
とにかく味も風味も食感も飽きさせることがありません。手間暇かかるケーキではあると思いますが、だからこそ食べたときの感動も大きいです。率直にいって美味しい。
一度は食べてみるべきチーズケーキだといえます。
値段などの詳細情報
値段:1080円+送料(ハーフサイズの値段。ロングサイズは2160円)
日持ち:3日(冷蔵で届くので)
購入ページ
ドゥブルベ・ボレロ(W・ボレロ)について(お店の詳細)
続いては、お店について。
アイアシェッケを購入したのは「ドゥブルベ・ボレロ(W・ボレロ)」というお店です。
ドゥブルベ・ボレロ(W・ボレロ)は滋賀県守谷市に本店を置く洋菓子店。他には大阪府本町に店舗があります。オンラインショップもあり、一部の商品は取り寄せが可能だ(店舗一覧)。
先のアイアシェッケや、他にもザッハトルテや焼き菓子が取り寄せできます。
ドゥブルベ・ボレロ(W・ボレロ)は2004年に創業したお店で、フランス菓子店ということになっており、マカロンやフィナンシェといったフランス菓子を販売しています。
一方でザッハトルテがあったりアイアシェッケがあったりと、ドイツ菓子も販売しています。
厳密な区別はせず、いろいろな洋菓子を販売していくスタイルなのでしょうか。もしくは、本場ヨーロッパではフランス菓子やドイツ菓子といった厳密な区別はせず、フランス菓子店でドイツ菓子を売るのは当たり前のことなのでしょうか。理由はわかりませんが、アイアシェッケという珍しいドイツ菓子を販売している貴重なお店であることは間違いありません。
鎌倉のレ・ザンジュで修行した渡辺雄二がシェフを務める
シェフを務めているのは、渡辺雄二氏。彼は鎌倉にある「レ・ザンジュ」という洋菓子屋で三輪寿人男氏の元で修行した後、三重県の実家の洋菓子店に戻り、工場長に就任。その後、2004年に自身のお店である「ドゥブルベ・ボレロ」をオープンしました。
渡辺シェフは年1、2度はヨーロッパに出向き、現地視察を重ねているといいます。
ちなみに渡辺シェフが修行した鎌倉の「レザンジュ」にもアイアシェッケが売られていました。渡辺シェフはレ・ザンジュでアイアシェッケの技術を身につけたのかもしれません。(レ・ザンジュ公式サイト)
ドゥブルベ・ボレロのザッハトルテ(2592円)
先にも少し書きましたが、今回はザッハトルテも購入しています。
ザッハトルテはたまにしか食べないので他との比較で感想を書くことはできませんが、ザッハトルテらしい力強い味でした。
どっしり甘味の効いたチョコレートとスポンジ生地。そこに差し込むエッジの聞いた杏の味。とにかくパンチが効いていました。
日常的にスイーツを食べる人であれば、なんのことは美味しいザッハトルテではありますが、たまにしか食べない人や、甘いものが得意ではない人だと、「甘い」と感じてしまうかもしれません。
それくらいパンチの強いザッハトルテということです。ドイツ菓子らしさがあります。
コメント