FLO(フロプレステージュ)は関東、中部、東北を中心に117店(2021年9月現在)を主点する洋菓子と惣菜のお店です。
生菓子や焼き菓子だけでなく、キッシュやサラダ、パテ、ラザニア、グラタン、ハンバーグなどの惣菜も扱う総合食品店です。フランスにおけるパティスリーという感じでしょうか。
今回はこちらで購入した、ベイクドチーズケーキとミルクレープを紹介します。
FLO(フロプレステージュ)の特徴や商品ラインナップ、歴史など
まずはFLO(フロプレステージュ)がどんなお店なのかについて簡単に説明します。
1886年にフランス・パリで創業
FLO(フロプレステージュ)は1886年にフランス・パリでブラッセリー(お酒と食事が楽しめるお店)としてオープンしました。
日本にオープンしたのは1987年です。この年の7月、表参道に、本格フレンチレストラン「Brasserie FLO表参道店」としてオープンしました。
今ではショッピングモールや駅ビルにある洋菓子屋のイメージですが、オープン当初は本格フレンチが食べられるお店だったようです。ちなみに、同じくフランスで生まれた老舗パティスリーとしてはダロワイヨがありますが、こちらが日本に上陸したのは1982年でした。
フレンチレストランとして営業していた「FLO」ですが、2000年には現在と同じ「FLO Prestige(フロプレステージュ)」が日本橋三越店をオープンしました。現在のような、対面で洋菓子と惣菜を販売するようなスタイルは、このときに始まったと考えられます。
そして2007年には100店舗を達成し、現在は117店舗になりました。
駅ビル、ショッピングセンターなどの商業施設の店舗が集中
店舗の所在地をみてみると、その多くがショッピングモールや駅ビル、駅ナカなどの商業施設内に手中しています。
先に、2000年に日本橋三越にオープンしたと紹介しましたが、現在はデパ地下の店舗は少なく、イオンなどのショッピングセンターや、パルコやエミオなどの駅ビル、そして駅ナカなど、庶民的な商業施設に出店している例が多いようです。また独立した店舗は現在ではほぼ存在していないようです。
日本人に馴染み深い洋菓子、惣菜がほとんど
今回はミルクレープとチーズケーキの2品だけ購入しましたが、前述のとおりFLOには様々な洋菓子と惣菜があります。
商品のラインナップは公式サイトや公式Instagramでみることができます。
フランスからやってきた洋菓子屋ですが、ケーキのラインナップはショートケーキやモンブラン、チーズケーキ、チーズタルト、ミルクレープなど、日本人に馴染み深いものばかりです。「パティスリー〇〇」といった個人経営の洋菓子屋でみかける難しそうなケーキはほとんどありません。
惣菜についてもラザニアやパテがある一方で、グラタン、ハンバーグ、ミートソースなど、洋食屋の定番メニューもあります。
日本人に馴染みがある洋菓子と洋食を販売するお店という印象で、フランスから上陸したお店ではあるのですが、だいぶジャパナイズされています。「フランスの食文化をもっと身近にもっと楽しく」がコンセプトのFLO(フロプレステージュ)ですが、ややコンセプトから外れているような気がしなくもありません。
おそらく、フランスから来たからといって、本場フランスにある料理やスイーツを出すのではなく、日本人の味覚や嗜好に寄り添ったものを、庶民的な価格で提供することを戦略としたのでしょう。だからこそ100店を超える大手に成長できたのかもしれません。
この店は、同じくフランスから上陸した、マカロンやオペラといったいかにもフランスらしいケーキを販売するダロワイヨとは、明らかな違いがあります。もちろんどちらが好きは人それぞれでしょうが。
ベイクドチーズケーキについて(399円)
こちらが、FLO(フロプレステージュ)のベイクドチーズケーキです。
値段は399円(税込み)で、不二家のチーズケーキ(380円)と同程度の価格です。フランスから上陸したということだったので、デパ地下のケーキの価格なのかと思っていましたが、意外にも大衆系の洋菓子屋と同程度の価格です。
他にチーズタルトもあるようですが、筆者が訪問したときは残念ながら売り切れでした。
さて、FLOのチーズケーキですが、オーソドックスなベイクドチーズケーキという感じです。
土台にスポンジ生地があり、ケーキの表面はスフレに近い質感です。
ケーキの本場フランスから上陸したFLOではありますが、チーズケーキは日本でよく見られる普通のチーズケーキという印象です。
クリームチーズの味をはっきり感じられる
味は意外にも特徴的でした。
口に入れると、クリームチーズの味がグッと舞い込んできます。
チーズケーキは、チーズのケーキといってもチーズの味を感じられないものが多くあります。もちろんそれが悪いというわけではありません。
いかにも普通のチーズケーキだったので、しっかりクリームチーズの味がするので少し驚きました。
スフレに近いふわふわの食感と、クリームチーズのようなしっとりした食感の両方を感じられます。前述のとおり、クリームチーズの味がはっきりしており、チーズ好きにはたまらないチーズケーキだと思います。
他の大衆系洋菓子屋のチーズケーキは以下のページで紹介しています。
ミルクレープ(450円)
今回はミルクレープも購入しました。
13枚のクレープ生地を使っているそうです。また間のクリームは、クレームディプロマットというカスタードクリームと生クリームを合わせたような、クリームを使用しているとのこと。
このクレームディプロマットがあるからなのか、若干キャラメルのような風味があります。かすかに感じる程度なので、気のせいかもしれませんが。
クレープ生地はモチモチで、卵の豊かな風味を感じられます。クリームとクレープ生地というシンプルな組み合わせでありながら、どこか深みのある味を感じられます。そんな完成度高い一品です。
ちなみに他のお店のミルクレープについても紹介しています。