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【ルコント(A.Lecomte)】のチーズケーキ|レジェンド的フランス菓子店で食べるベアとベイクドのチーズケーキ

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1968年創業。日本初のフランス菓子専門店といわれており、また日本にフランス菓子を普及させるのに一役買ったお店としても知られる「ルコント(A.Lecomte)」。

フルーツケーキやシュークリームなどが人気ではあるが、今回はこちらのレアチーズケーキとベイクドチーズケーキを食べた。

お店の歴史とあわせてチーズケーキを食べた感想を紹介していく。

ルコント(A.Lecomte)とは?(店内の様子、メニューなど)

「ルコント(A.Lecomte)」は広尾や六本木、日本橋など、東京に5つの店舗を展開するフランス菓子店である。(ルコントの店舗一覧

日本に最古のフランス菓子専門店といわれており、また日本にフランス菓子を広めたお店の1つともいわれている。

日本最古のフランス菓子専門店

「ルコント(A.Lecomte)」は1968年に、フランス出身のパティシエであるアンドレ・ルコント氏が六本木にオープンしたお店だ。

オーナーのルコント氏は、1963年にホテルオークラのシェフ・パティシエとして日本を訪問した。1964年に開催される東京オリンピックに備えてだと言われている。

余談だが、同じく東京オリンピックを契機に発展した洋菓子屋として「まるたや」がある。こちらのチーズケーキは、東京オリンピックで何か出せないか、ということで開発されたものだそうだ(まるたやのチーズケーキをみる)。

他にも東京オリンピックを契機に発展した洋菓子店の話をいくつかきいたことがある。他の業界と同じく、洋菓子業界も東京オリンピックで大きく前進したことは間違いないだろう。

ルコント

ルコント氏は、1968年に本場フランスの菓子の味を伝えるべく、六本木にルコントをオープンした。当時、お店には本場フランスの洋菓子の味を求めて、芸能人や政財界からも多くの人が訪れたという。

日本にはルコントがオープンする前から、コロンバンや風月堂、モロゾフ、トップス、ユーハイムなど、洋菓子屋は存在した。しかしフランス菓子専門店としてオープンしたのはルコントが日本初なのだそうだ。

六本木で人気を集めたルコントは1970年には尾山台店をオープン。1978年にキッチン拡大のために六本木から青山に店舗を移転した。

2010年にルコントは一度閉店したが、存続を望む声が多くあり、2013年3月10日に新生ルコントとして、広尾に再びオープンした。

現在店舗は、広尾(本店)、銀座、日本橋三越、羽田空港、渋谷の5箇所にある。ちなみに今回は2019年11月に渋谷スクランブルスクエアにオープンした店舗を訪問した。

その他オンラインショップもあり、焼き菓子やハーブティーなどを購入できる。

現在はパティシエ・シマの島田氏が監修

今のルコントの洋菓子を監修しているのは、パティシエ・シマのオーナーを務める島田進氏だ。彼は当時の青山店で、ルコント氏の片腕として3年間その腕をふるってきた。現在は、故ルコント氏の遺志を引き継ぎながら、その味を再現しているという。

今回、購入した2つのチーズケーキも、ルコント氏の遺志が宿るチーズケーキなのだろう。

秘伝のシロップ使用したフルーツケーキも

ルコントにはフィナンシェやパウンドケーキの焼き菓子と、チーズケーキやシュークリームといった生菓子が発売されている。

外見にもこだわっており、スワンやねずみを型どったシュークリームもある。

さらにフルーツケーキには代々受け継がれている秘伝のシロップを使用しているそうだ(参考:なんだか懐かしい『ルコント』のお菓子たち(WEBアーカイブ))。

具体的なケーキの種類は、ルコントの公式Instagramアカウントや公式サイトで紹介されているので、ぜひみてほしい。

【実食解説】ベイクドチーズケーキ

それでは実際に食べたチーズケーキの1つを紹介していく。まずはベイクドチーズケーキ。

ルコント ベイクドチーズケーキ (2)

ルコント ベイクドチーズケーキ (3)

ルコント ベイクドチーズケーキ

ルコント ベイクドチーズケーキ (2)

オーソドックスではあるが、だからこそ綺麗な形で、美しい。側面までクッキー生地あって、またこのクッキー生地が綺麗に焼かれている。

カッテージチーズを使用

ちなみにこのチーズケーキは、カッテージチーズを使っているそうだ。

一般的にチーズケーキは、クリームチーズで作るが、ルコントはカッテージチーズを使っている。カッテージチーズを使ったチーズケーキといえば、岩手のロシア料理屋のトロイカがある。

トロイカ チーズケーキ
トロイカのチーズケーキ。自家製のカッテージチーズを使ったチーズケーキ。
トロイカのチーズケーキの詳細

ルコントのベイクドチーズケーキもそうだったが、トロイカのベイクドチーズケーキも、濃厚でねっとりした口当たりだった。

ルコント ベイクドチーズケーキ (6)

ちなみにルコントは、1950年頃に六本木にあったコーシャというお店のユダヤ風チーズケーキのレシピを再現しているという話がある。現在のチーズケーキがそれなのかはわからない。

1950年代といえば、日本でまだクリームチーズが一般的ではない時代だ。つまり、コーシャというお店が、カッテージチーズを使ってチーズケーキを作っていた可能性は高い。

そしてルコントのチーズケーキもカッテージチーズを使っているという。つまり、コーシャのチーズケーキをそのまま受け継いでいる可能性は十分にある。

もしそうだしたら、ルコントのチーズケーキは、日本最古のチーズケーキのレシピである可能性も高い。もちろんそうでない可能性もあるので、これは一つの与太話としてほしいが。

ねっとり硬めの古典的チーズケーキ

ルコント ベイクドチーズケーキ (2)

ねっとりした硬めの食感で、またとても濃厚だ。口にいれた瞬間、クリームの風味が充満しておいしい。

こういった硬めの昔ながらのチーズケーキは最近減っている。

最近はムースだったり、メレンゲだったり、半熟だったりして、とろとろやふわふわの食感を追求するチーズケーキばかりだ。

もちろんフランス菓子系のお店では、ふわふわでいかに口当たりを良くするかが、腕の見せどころでもあるのだろう。しかしながら、あっちもこっちもふわふわ系、とろとろ系のチーズケーキなのは、うんざりしてしまう。

ルコント ベイクドチーズケーキ (2)

一方でルコントは、そうったトレンドとは違う、硬くて中身のつまった、いうなれば古典的チーズケーキだ。

こういった硬めのチーズケーキは、資生堂パーラーやトップスといった老舗店のチーズケーキにも共通している。おそらく昔のチーズケーキは硬めだったのだろう。プリンがそうであったように。

ルコント ベイクドチーズケーキ (2)

一方で悪くいえばとらえどころがない、地味で、目新しさがないチーズケーキともいえる。

しかしトレンドを追いかけるのではなく、昔ながらチーズケーキでで、素材本来の味の良さや風味の良さを追求しようとする姿勢は非常に評価したい。

値段、カロリー、商品説明など

値段540円

古くから愛されているルコント特製の濃厚なチーズケーキ。

商品説明

※全体的な質感がわかる動画はこちら

【実食解説】レアチーズケーキ

続いてはレアチーズケーキについて。

ルコント レアチーズケーキ (6)

ルコント レアチーズケーキ (6)

ルコント レアチーズケーキ (6)

ルコント レアチーズケーキ (6)

こちらはお酒を使っており、またフランス産のフレッシュチーズとブルーベリージャムを使用している。

表面にはクリームのムース。下のはレアチーズ、その下にブルーベリージャムがあって、土台にはスポンジ。先ほどのシンプルなみためのベイクドチーズケーキとは違い、フランス菓子店らしい華やかな見たのチーズケーキだ。

ルコント レアチーズケーキ (6)

ベイクドチーズケーキとはだいぶ毛色が違う。簡単にいえば、上品な大人のチーズケーキだ。

しっとりとしていて、とても口当たりがいい。その一方でコクがあって、食べごたえをしっかり感じさせてくれる。

ほどよい酸味とお酒の風味が上品さを演出している。いかにもデパートにあるフランス菓子店のケーキという感じの、上品で大人の手土産にもってこいのチーズケーキだといえるだろう。

値段、カロリー、商品説明など

値段562円

フランス産のフレッシュチーズとブルーベリージャムを使用したレアチーズケーキ。

店舗商品説明

※全体的な質感がわかる動画(レアチーズケーキは01:22~)

各種リンク(公式サイトなど)

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