
1902年、資生堂の一角で日本初の「ソーダ水」を出したことから始まった資生堂パーラー。
日本における洋菓子・洋食の普及に一役買ってきた老舗資生堂パーラーの以下の3つのチーズケーキを紹介する。
【実食解説】資生堂パーラー銀座本店限定・スペシャルチーズケーキ
資生堂パーラー銀座本店限定で発売されているスペシャルチーズケーキ。



さすが銀座の老舗。箱の時点で存在感だ圧倒的だ。
好き嫌いは別として、この個性的なデザインの箱なら手土産・プレゼントに喜ばれることは間違いないだろう。
また資生堂パーラーも贈答品として選んでもらえることを明らかに意識している。
さて、商品説明は以下の通り。
北海道産の小麦粉を使った香ばしいビスキュイ生地でデンマーク産のクリームチーズを包み、職人が1本1本ていねいに焼き上げた特別なチーズケーキ。
なめらかな口どけとクリームチーズそのものの濃厚な味わいをお楽しみいただけます。ワインに合わせたても満足いただける、お菓子を超えた大人の嗜好品です。冷やしてお召し上がりください。
箱のデザインに圧倒的なこだわり

圧倒的存在感をはなつこの箱だが、実は2019年11頃にデザインをリニューアルしている。
以前はもう少しポップなデザインだった。
以前のスペシャルチーズケーキのデザイン。2019年の11月頃に変更。
ちなみに資生堂パーラーの箱は、他店と比べるとそのテイストの違いは一目瞭然だ。以下は他店のチーズケーキの箱だ。
Cheesecake HOLIC GAZTA BELTZ レゾルカ Mr.cheesecake
他店はシンプルで、上品さを感じさせるデザイン。
これらと比べると資生堂パーラーがいかに個性的かがわかるだろう。
このデザインはデザイナーの仲條正義が担当している。彼は85歳を超える方なのだが、なかなか攻めている。
このデザインのテーマは「銀座アヴァンギャルド」だそうだ。「ロシアアヴァンギャルド」を意識しているらしい。
「アヴァンギャルド」には壊して新しくするという意味合いがある。ロシアアヴァンギャルドを意識したレトロな感じ。そして、アヴァンギャルドが持つ新しくするという意味。
新しさとレトロ感。その両方を感じさせるデザインになっているというわけだ。
銀座を代表する老舗店として、歴史と未来を背負う資生堂パーラー。好き嫌いは別として、こういった攻めたデザインは非常に評価したい。
デザインに関する詳しい話は、以下の記事で解説されているので、興味がある方は参考にしていただきたい。


天地無用、常温保存可能のチーズケーキ


スペシャルチーズケーキは開封前であれば常温保存が可能だ。固めのチーズケーキなので、箱が逆さになっても形が崩れることはない。持ち運びに気をすり減らすこともない。
また驚くべきことに、1週間ほど日持ちする。普通のチーズケーキは当時中だ。
銀座店限定、運びやすい、日持ちする、そしてオシャレで美味しい。
これほど銀座の手土産に適したものが他にあるだろうか。
延べ棒的チーズケーキ


箱を開けてみると大迫力のチーズケーキが姿を表す。外側は全部クッキー生地で囲われており、チーズケーキというよりは延べ棒だ。




切り分けてみると、美しいチーズケーキの断面が登場。
圧倒的ねっとり感のチーズケーキ
さて実際食べた感想について。


常温なのに、かなりのねっとり感だ。これまでいろいろなお店の色々なチーズケーキを食べてきたが、ここまでねっとり、むっちりしたチーズケーキははじめてだ。
たとえるなら芋ようかんとか、硬めのチーズだろうか。
チーズのうま味を存分に楽しめる濃厚チーズケーキ


また口にいれた後も驚きは続く。かなり濃厚なのだ。一口食べただけでもこのチーズケーキがかなりヘビーなのがわかるはずだ。
いろいろなチーズケーキを食べてきたが、他のどのチーズケーキよりも、どっしり、ずっしりくる。
あまりの濃厚さゆえに好き嫌いが分かれるであろう。濃厚なチーズケーキが苦手な方は、食べるのがつらくなってしまうかもしれない。
それでも美味しいことには間違いない。濃厚だからこそ、クリームチーズが本来持つ、うま味を存分に楽しめるからだ。
多くのチーズケーキは、卵や生クリーム、サワークリーム、そして砂糖やレモン果汁など、チーズ以外の材料をたくさん使用する。だからチーズの存在感は薄くなってしまう。
一方で、スペシャルチーズケーキは、チーズケーキといってもチーズそのものを食べてるようだ。ここまでチーズのうま味を感じられるチーズケーキは他にはないだろう。
やはりチーズケーキはチーズの味をしっかり際立たせるべきだ。せっかくチーズという、うま味が詰まった材料を使うのだから。
全体のバランスを整えるビスケット生地



またビスケット生地がとてもいい役割をしている。あまりに濃厚なチーズケーキで、チーズケーキだけを食べるには、重たすぎる。
しかし、このビスケット生地の「もふ」とした食感とビスケットのような軽快な風味・味が、緩衝材の役割をし、バランスをとる。
ちなみにこのビスケット生地は北海道産の小麦粉を使っているそうだ。このビスケット生地が全体のバランスを整えおり、濃厚で重たいにのに、どんどん食べてしまうのだ。
まさに魅惑の味。本当によくできている。
3450円という結構な値段ではあるが、値段だけの価値はある。絶対に一度は食べるべき。そう自信をもっておすすめできるチーズケーキだ。
以前のデザイン
以下は資生堂パーラーのスペシャルチーズケーキの2019年6月頃のデザインだ。

なかみのスペシャルチーズケーキは変わっていなが、2019年の6月に撮影した写真も掲載しておく。
値段、日持ち、カロリー、購入方法について

メニュー名 | スペシャルチーズケーキ |
---|---|
タイプ | ベイクドチーズケーキ |
値段 | 3450円 |
カロリー | 1468kcal |
日持ち | 購入から5日ほど |
サイズ | 6人分くらい |
スペシャルチーズケーキを購入できるのは、資生堂パーラーの銀座本店のみ。また1日限定15本とのこと。
【実食解説】チーズケーキ(キューブタイプのチーズケーキ)
資生堂パーラーにはもう1つチーズケーキがある。
それがこのキューブタイプのチーズケーキだ。

先のスペシャルチーズケーキは銀座本店限定だったが、こちらは全国の資生堂パーラーの店舗、そして、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングといったネットショッピングサイトでも販売している。
資生堂パーラーといえば、こちらのチーズケーキが定番だろう。全国で販売されているチーズケーキなのだから。
商品説明は以下の通り。
銀座で生まれ、銀座で育ったチーズケーキ。北海道産の小麦粉を使ったビスキュイ生地で、デンマーク産のクリームチーズを包み込んで焼き上げました。
口の中でなめらかにほどける、チーズよりもチーズらしい、このうえなく濃厚で贅沢なチーズケーキです。
1個ずつ大切に包装しました。お好みに合わせ、冷やしてお召し上がりください。


一口、もしくは二口で食べられるサイズで、こちらも常温保存可能。賞味期限は2週間ほどあるので、贈答用にちょうどいい。
一口サイズのスペシャルチーズケーキ

小さいのにとても力強い味がする。濃度だ。とにかくとても濃厚なのだ。
先に紹介したスペシャルチーズケーキも濃厚だったが、負けず劣らず濃厚だ。チーズのうま味を存分に味わうことができる。


また外側の生地はスペシャルチーズケーキでいうところの土台だろう。
そしてチーズケーキ生地のねっとり感と味の濃厚さはまさにスペシャルチーズケーキ。
飲み込んだが後もしっかり口のなかには、チーズケーキのうま味が残る。お茶、コーヒー、なんでもどうぞという感じだろう。

スペシャルチーズケーキを小さくした、もしくはスペシャルチーズケーキがこのチーズケーキをベースにしているのかもしれない。
いずれにしても、一口サイズの小さいチーズケーキでありながら、クリームチーズの味を存分に感じさせてくれる、力強いチーズケーキだった。
スペシャルチーズケーキを食べる機会がなくても、こちらの小さいチーズケーキは食べるべきだろう。
値段、日持ち、カロリーなど

値段 | 3個 990円 6個 1996円 12個 3888円 |
日持ち | 常温60日 |
サイズ | 手のひらサイズ |
カロリー | 102kcal/1個 |
購入方法 | 資生堂パーラーの店舗、もしくはネットで取り寄せ可能 |
【実食解説】秋のチーズケーキ(マロン)
こちらは2020年の9月頃に発売されたチーズケーキ。先に紹介したキューブタイプのチーズケーキのマロン味であり、箱も秋色になっている。
そして中身のチーズケーキもマロンを彷彿とさせる色をしている。

まずとにかく強調したいのは、マロンの風味が濃いということだ。
秋になると巷にはマロン系のスイーツが出回るが、そのほとんどは甘く、栗のまろやかさが強調されたものだ。それはそれで美味しいものであり、僕も大好きで購入するのだが、しかし本当の栗とは少し違うように思う。
一方で、資生堂パーラーのマロンは違った。マロンが濃くて、また栗の渋みのような風味まで感じられるのだ。ここまで栗感を感じられるマロン系スイーツは初めてかもしれない。
そして資生堂パーラーのチーズケーキの特徴である重厚で濃厚な味わいも健在であり、またねっとり感も抜群で、口のなかに存分に風味が残るで、余韻を楽しめる。そしてコーヒーがよく合う(もちろんお茶も合うと思われる)。
クリームチーズそのものの旨味をいかしながら、さらに栗のリアルな風味も感じさせてくれれる。その強い主張には好き嫌いが分かれるかもしれないが、他のマロン系のスイーツとは一線を画する一品であった。

値段、カロリーなど

値段 | 3個 990円 |
日持ち | 常温60日 |
サイズ | 手のひらサイズ |
カロリー | 94kcal/1個 |
購入方法 | 資生堂パーラーの店舗 |
資生堂パーラーとは?(歴史など)


資生堂パーラーは、日本橋や上野、自由が丘、新宿、横浜など、日本各地にある洋菓子屋だ。銀座店では洋食も提供している。
もちろん化粧品を販売する資生堂と関係しており、現在は資生堂の子会社となっている。
資生堂パーラーは1902年(明治35年)、当時調剤薬局であった「資生堂」の一角に、日本初のソーダ水や日本でまだめずらしかったアイスクリームの製造、販売をしたことから始まった。
これは当時アメリカで、ソーダ水とアイスクリームを製造・販売するアメリカのドラッグストアからヒントを得たそうだ。
1928年には、資生堂アイスクリームパーラーになり、本格的にレストラン業を開始した。
銀座本店には洋食レストランも併設

資生堂パーラーの本店は銀座にある。今回紹介した「スペシャルチーズケーキ」は銀座本店でしか購入できない。
また3階にカフェ、4・5階にレストランがあって、人気の洋食をいただける。
資生堂パーラーの公式サイト、SNSアカウントなど
その他、おすすめのチーズケーキ
銀座でチーズケーキを購入するなら以下のお店もおすすめだ。