アンナミラーズというと制服の話ばかりがピックアップされ、ケーキが詳しく語られることはほとんどない。だから筆者はこれまで、アンナミラーズは制服を見に行くための場所だと思っていたし、ケーキには全然期待していなかった。
しかしアンナミラーズのケーキを実際に食べてみて思った。ここのケーキは普通に美味しいと。制服などどうでもいい。ケーキを食べるためにだけにいくのも全然ありなのではないかと思ったほどだ。
ということで本記事はアンナミラーズで買った、レアチーズケーキとニューヨークチーズケーキの2つ紹介する。
アンナミラーズ(Anna Miller’s)について(店内の様子、メニューなど)

アンナミラーズ(Anna Miller’s)は、1973年にハワイとアメリカ西海岸で、ペンシルベニア・ダッチスタイルの家庭料理を出すレストランとして創業した。
ペンシルベニア・ダッチスタイルとは、17世紀から18世紀にかけて、ドイツ語圏から、アメリカ・ペンシルベニアに移民してきた人たちの料理スタイルのことらしい。ダッチ(Dutch)は本来「オランダの」という意味の単語だが、古くはドイツ人を指す単語だったそうだ。
色々とややこしいが簡単にいえば、アンナミラーズはドイツ系移民の家庭料理を出すお店である。
ちなみに店名の「アンナミラーズ」は創業者のスタンレーミラーの祖母、「アンナミラー」に由来している。
日本に上陸したのは1973年で、1号店は青山だった(青山店は現在閉店)。井村屋製菓(現・井村屋グループ)が、アンナミラーズとライセンス契約を結んだ事により誕生した。有名なあの制服は創業当時から変わっていない。
現在は高輪店(品川駅が最寄)の1店舗のみ
日本に上陸したアンナミラーズは、順調に店舗数を増やし、最盛期は首都圏を中心に20店舗があった。
しかしバブルの崩壊や相続く不況、1990年頃に行った値上げ戦略が失敗したことなどが原因で、続々と店舗が閉店。現在日本にあるアンナミラーズは、品川駅前の高輪店の1店舗だけになってしまった。つまり高輪店で閉店してしまうとアンナミラーズは日本から消えてしまうのだ。
余談ではあるが同じくアメリカからやってきたレストランである「Hooters(フーターズ)」も続々と閉店し、現在は1店舗のみになった。
食事もできる

アンナミラーズは前述の通りドイツ系移民の家庭料理レストランである。だからケーキだけでなく、食事系のメニューがあり、ランチにもディナーにも利用できる。
メニューは多くはないが、サーロインステーキやサンドイッチなどがある。
ケーキのラインナップ
食事メニューよりもケーキのラインナップのほうが断然多い。
11種類のパイ、2種類のチーズケーキ、3種類のハウピアパイ(ハワイのパイ)があり、季節限定メニューも多数ある。またホールケーキの注文もできる(アンナミラーズのケーキ一覧)。

もはやケーキの種類のほうが断然多く、レストランというよりは食事もできるケーキ屋という感じになっている。
ちなみに今回は2種類のチーズケーキと、チョコレートケーキを注文した。
ダブルチョコレート
アンナミラーズのダブルチョコレート(630円)
チーズケーキの感想は後述するが、今回食べた3つのケーキはどれも控えめな味であった。アップルパイやチェリーパイの口コミをみると「激甘だった」という意見もあったので、チーズケーキも主張が強いのかと思っていた。
しかし筆者が注文した3つのケーキに関しては、どれも甘さ控えめで食べやすく、最後の一口まで飽きることがない、素直に美味しいと思えるケーキだった。
ケーキは600円前後なので決して安いとはいえない。有名パティスリーのケーキと同じくらいの値段なのでなんともいえないが。
重厚感のあるケーキ箱
テイクアウトして一番驚いたのが、ケーキの箱だ。
アンナミラーズの箱は一般的なケーキ屋とはぜんぜん違う、丈夫な箱で渡しくれる。大きさとしてはスニーカーの箱と同じくらいだろうか。




3つケーキを注文しただけなのに、この大きさの箱をもらえる。しかも中のケーキは、上記の写真のように専用の型で固定されている。いろいろなケーキ屋を巡ってきたがこのパターンは初めてだ。
一般的なケーキ屋は小さな箱に、丸めた型紙を使ったり、ケーキをうまく収納したりして、ケーキを固定させている。
箱の中でケーキが動かないように、あの手この手で隙間を埋める。まさに箱のなかに広がるアート空間であり素晴らしいものである。
一方で、アンナミラーズのようにデカイ箱で、専用の型で固定してしまうパターンには驚いてしまった。
【食べた感想】レアチーズケーキ(600円)
ここからアンナミラーズのチーズケーキについて紹介していく。まずはレアチーズから。


土台にはパイ生地を使用しており、表面にはホイップクリームがトッピングされている。また生地の部分はトロトロになっており、トロッとした舌触りを想起させる。
食べた感想だが、前述の通り意外と控えめな味で、甘さで口の中を制圧するのではなく、クリームチーズや生クリームの風味をしっかり堪能させてくれる。

程よい酸味があって味のバランスが良い。同じくアメリカからやってきたレストランのフーターズやTGIフライデーズなどは、わかりやすい味のチーズケーキだった。具体的には、甘くて、酸味などはないものがないものだった。
一方でアンナミラーズは、単調ではなく深みもある。だから食べていて全然飽きない。ガッツリ食事をした後でもスルッと胃袋に収まってしまう。


また土台のクッキー生地(パイ生地)も申し分ないサクサク感だ。さすがパイを何種類も販売しているお店だけある。パイ生地のクオリティはとても高い。
アメリカ系のレストランなので正直あまり期待はしていなかった。しかし思いの外クオリティが高くてびっくりした。600円というのは高いように感じるが、まあいいかと思えるほど美味しいレアチーズケーキであった。
【食べた感想】チーズケーキ ニューヨークスタイル(630円)
続いてはニューヨークスタイルのチーズケーキ。ちなみにこちらはアンナミラーズのケーキを代理販売している「CONCENT」という通販サイトでも購入できる。

商品説明によるとこちらはアンナミラーズ伝統のチーズケーキだそうで、ニューヨークスタイルという記載がある。ニューヨークチーズケーキということだろう。
ニューヨークチーズケーキとはベイクドチーズケーキの一種で、一般的な特徴はサワークリームを使用し、湯煎焼き(オーブンの天板に水を張った状態で焼く)していること(ニューヨークチーズケーキとは?)。

アンナミラーズのチーズケーキの外見は、いかにもニューヨークチーズケーキという感じである。というのも表面は白に近いクリーム色の、均一な焼き色になっているからだ。
たとえばニューヨークからやってきて日本でチーズケーキを販売している「パパジョンズ」やニューヨークでチーズケーキの修行した「松之助NY」などのチーズケーキは、どれも表面がきれいだ。
パパジョンズ 松之助NY
また土台にはグラハムクラッカーを使用しているのも、ニューヨークチーズケーキではよくあるパターンだ。
アメリカか上陸した他のレストランのチーズケーキ
ちなみにアメリカから上陸した他のレストランのチーズケーキがこちら。
Hooters TGIフライデーズ カリフォルニアピザキッチン サラベス レッドロブスター コーヒービーン&ティーリーフ アンナミラーズ
サイズはカリフォルニアピザキッチン(アメリカで250店舗以上)が一番大きい。表面の美しさは、アンナミラーズ、もしくはサラベスが一番ではないだろうか。
ねっとり食べごたえがあるチーズケーキ

質感はとてもねっとりしていて食べごたえがある。また味も濃厚で風味も素晴らしくいい。
「アンナミラーズのケーキは甘い」という話をきいていたので、チーズケーキも激甘なのかと思っていたが、そうでもなかった。どちらかといえば甘さ控えめで、ほどよい酸味を感じられる食べやすいチーズケーキだった。
予想をはるかに上回る美味しさであった。
値段、カロリー、商品説明など
値段 | 630円 |
アンナミラーズの伝統のチーズケーキをご自宅でお召し上がりいただけます。クリームチーズを44%使用し、滑らかな口当たりとチーズの香りにこだわったニューヨークスタイルチーズケーキです。アンナミラーズのチーズケーキはアメリカのレシピで作られています。 グラハムクラッカーは少しシナモンを入れて仕上げてあります。
各種リンク(公式サイトやお店のSNSなど)
- 公式サイト
- Googleマップ(高輪店)
- 食べログ
- Retty
- アンナミラーズのケーキが購入できる通販サイト
- 営業時間:10時00分~20時00分(土日は9時~)
- 住所:〒108-0074 東京都港区高輪4丁目10−18 ウィング高輪 WEST 2F
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