「トゥルトフロマージュ」「トゥルトーフロマージュ」「ル・トゥルトフロマージュ」など色々な呼び方をされるチーズを使った菓子について、その歴史、名前の由来、味について解説していく。
【歴史】19世紀から存在するフランスの伝統菓子
トゥルトフロマージュ(le tourteau fromage)は、フランスのプワトゥ地方に19世紀から伝わる伝統菓子である。
このチーズケーキは、見習いの職人がチーズタルトを作る際、間違って高温の石窯に入れてしまったことがきっかけで生まれたといわれている。表面が黒いのはこのような失敗がきっかけで生まれたからだとされている。
作り方はそれほど難しいものではなく、パイ生地の上に山羊のチーズを混ぜた生地を流し込んで高温で焼く。伝統的には山羊のフレッシュチーズを使うが、牛のチーズで作ったものも一般的にはあるそうだ(具体的なレシピは後述)。
日本ではほとんど見かけないが、本場フランスではスーパーマーケットでも販売しているほどポピュラーな菓子だそうだ。チーズケーキとして紹介されることもあるが、焼き菓子として紹介されることもある。実際、写真のトゥルトフロマージュを購入した店では、焼き菓子として販売されていた。
【名前の由来】なぜ「tourteau(トゥルトー)」なのか?
名前は「tourteau fromage(トゥルトー フロマージュ)」である。フロマージュはチーズを意味するが、「tourteau(トゥルトー)」は何を意味しているのか?
実はこの明確な理由はわかっていないようである。現在有力の説は次の3つ。
- タルトという語に方言に由来しているという説。tourteau(トゥルトー)はポワトゥー地方の方言で「ケーキ」という意味の”touterie”に由来している説がある。
- 表面がカニ(トゥルト)の甲羅のようだから
- 「トゥルチェール」という型で作るから
※ここまでの参考文献
・チーズケーキの旅(山本ゆりこ 著)
・お菓子の由来物語(猫井登 著)
・フランス伝統菓子図鑑 お菓子の由来と作り方:定番菓子から地方菓子まで132種を網羅した決定版(山本ゆりこ 著)
【味の特徴】カステラ、デニッシュなどに近い食感
トゥルトフロマージュはいったいどんな味なのか?
東京都世田谷の尾山台にあるにフランス菓子屋「オーボンヴュータン」で売られていたので購入し、実際に食べてみた。
※お店の詳細はブログに記載
食感は、カステラやデニッシュに近い。
表面の焦げの部分は、フォークでたたくとコツコツ音がなるほど固くなっており、香ばしい匂いがする。
焦げの部分は、少し苦味があるのだが、不思議とエグみはない。中身は、ちょっと乾いたカステラのよう。カステラとパウンドケーキの中間くらいの舌触りである。
またパウンドケーキほどバターのしっとりした感じはなく、もう少しさっぱりした、乾いた質感です。
トゥルトーフロマージュのレシピ
ものすごくシンプルに説明すると、パイ生地を作り、その上にフレッシュチーズ(フロマージュブランを使う例が多い)と薄力粉、卵黄、メレンゲ、砂糖を混ぜて作った生地を流し込む。それを高温、短時間で焼き、表面を焦がして作る。
フランスではポピュラーな菓子というだけあって、パイ生地とアパレイユを別で作る手間はあるが、そそれほど面倒なものではない。
山羊のフレッシュチーズを使わない場合は、フロマージュブランというチーズを使っている例が多い。クリームチーズで代用できないものかと、一度試してみたがうまく作れなかった。フロマージュブランを使ったほうがいいようだ。
レシピはネットで調べるとたくさん見つけられる。Youtubeにもあったので、ひとまず動画とサイトのリンクを記載する。
【買えるお店】トゥルトフロマージュが買えるお店
オーボンヴュータン (世田谷区尾山台)
オーボンヴュータンでは尾山台にあるフランスの伝統菓子を扱うお店だ。様々な伝統フランス菓子とともにトゥルトフロマージュが売られている。
価格は2100円。決して安くはないが、この店は日本におけるフランス菓子の第一人者とも呼ばれてい河田勝彦氏がオーナーを務める店だ。
その材料にこだわった高品質のトゥルトフロマージュであることは間違いないだろう。
筆者も実際食べたが、香ばしいパイ生地と、風味・舌触りがより生地がとてもクセになる味わいで、一人で半分以上食べてしまった。洋菓子や焼き菓子が好きなら気に入ることは間違いないだろう。
那須高原のトゥルトゥフロマジェ(楽天で購入できるようです)
ネットキングというお店が販売している那須高原のトゥルトーフロマジェは楽天でも購入できるようです。
ただし販売している期間が決まっているため、時期によっては買えない場合もある。
おそらく以前筆者が食べた、別サイトからお取り寄せしたものと同じです。
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