塩麹を使った珍しいチーズケーキを食べました。九州の百貨店、岩田屋がオンライストアで限定100個で販売していた「大人のバスクチーズケーキ」です。
非常に美味しいチーズケーキなのですが、限定商品だったため、現在は購入できません。
塩麹を使い、また九州の材料にこだわった珍しいチーズケーキなので紹介します。
熟成バスクチーズケーキの会社と九州のレストランシェフがコラボ
この「大人のバスクチーズケーキ」は、ビースリーという会社と川口雅由さんというシェフが共同で開発しました。値段は5400円です。サイズは13cmです。
ビースリーは「熟成バスクチーズケーキ」という二段階熟成製法で作ったバスクチーズケーキを販売している企業です。熟成バスクチーズケーキは、クラウドファンディングのキャンプファイヤーでは、目標達成率2710%という異例の実績を残しました。このブログでも以前に紹介しており、一度は食べてほしいバスクチーズケーキとして紹介しています。
また川口雅由シェフは、宮崎にあるレストラン「燠火 Kawaguchi∴&PILAW∴」でオーナーシェフを務める方です(燠火 Kawaguchi∴&PILAW∴の公式サイトはこちら)。数々のイノベーティブな料理を手掛けています。
そんなビースリーと川口シェフが共同で開発したのが「大人のチーズケーキ」です。このチーズケーキは、岩田屋で販売されたほか、「ななつ星in九州」のスペシャルギフトにも採用されたそうです。
※「ななつ星in九州」は九州を走るクルーズトレインのこと。客室がある寝台列車であり、バーカウンターやダイニングカーを備えている。公式サイトはこちら。
地産地消にこだわったチーズケーキ
またこの大人のチーズケーキは地産地消に配慮しています。主原料であるクリームチーズ、生クリーム、卵、そして塩麹は九州産です。
チーズケーキに使う材料は、そのほとんどが乳製品です。そして乳製品の産地といえば、北海道やフランス、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランドが定番です。
一方で今回の「大人のチーズケーキ」はクリームチーズも生クリームも九州産です。九州産の材料だけで作ったチーズケーキがこれまでにあったでしょうか。私は見たことがありません。何より、九州にも乳製品があることに驚きました。業務用の材料は北海道くらいしか製造していないと思っていたので。
地産地消のチーズケーキなのは、地元の食材にこだわったレストランを手掛ける川口シェフの影響でしょう。
私としても、地産地消は今後の食を考える上で、非常に重要なポイントだと思っています。地元の産業を盛り上げる観点だけではなく、環境問題や食料問題などいくつかの社会問題の観点から、地産地消を応援したいです。
塩麹を使用、奥行き感じる絶品バスクチーズケーキ
前述のとおり、このチーズケーキは塩麹を使っています。酒麹を入れたチーズケーキは食べたことがありますが、塩麹は初めてです。
塩麹は、塩と麹を合わせ水を加えて発酵させた調味料のことです。2012年頃にはちょっとしたブームにもなりました(塩こうじ、ブームに水差す官製市場 加工米品薄に)。「大人のチーズケーキ」は独自の熟成技法を使っています。そこにさらに発酵食品である塩麹を加えています。発酵と熟成は微妙に違いますが、微生物の働きを利用した調理技法であることは同じです。そんな発酵の力を最大に使ったチーズケーキともいえます。
塩麹の味が具体的にあるわけではありませんが、全体的に奥行きのある味に仕上がっているような気がします。口に入れた瞬間、ぐっと伸びていくような、深みがあるというか、言葉で表現しにくいのですが、とても立体的な味です。
一口で「あ、美味しい!」と思わずつぶやいてしまいます。
食感は全体的にしっとりしており、バスクチーズケーキの特徴であるとろとろした質感が存分に楽しめます。
また中央部分と外側の部分で若干、濃厚さが違うのが面白いです。中央部分がより味が多彩で濃厚で、しっとりしている。一方外側や、控えめな味で、もそっとした食感にもなっており、2つの味わい、食感が楽しめます。
単一の物体の非常にシンプルなバスクチーズケーキですが、複数の食感、舌ざわりを楽しむことができ、また味や風味の多彩です。チーズケーキの魅力を存分に体現した一品だといえます。
コメント