2020年12月の月末に、正月向け商品としてセブンイレブンから発売された「伊藤久右衛門監修 宇治抹茶ちーずけーき苔まる」。
抹茶のチーズケーキを抹茶のスポンジ生地で覆った、抹茶づくしのスイーツだ。
抹茶スイーツの人気店、伊藤久右衛門が監修
伊藤久右衛門は京都宇治に本店を構える、お茶と抹茶スイーツ専門店だ(公式サイト)。以前、当ブログでも伊藤久右衛門の抹茶チーズケーキを紹介した。
伊藤久右衛門は、1952年3月24日にお茶屋として創業した。その後、抹茶を使ったスイーツの販売をはじめた。今では抹茶を使ったスイーツのほうが圧倒的に有名なようで、メディアでも度々紹介される。
今回のスイーツは、抹茶スイーツとして実力も実績もある伊藤久右衛門とタッグを組んだスイーツというわけだ。
抹茶づくしの2層のチーズケーキ
その外見はとても美しい。
表面に正方形の板チョコをあしらい、外側はふわふわの抹茶のスポンジ生地で覆っている。
その見た目は、パティスリーのケーキと疎遠ない。パティスリーのショーケースに並んでいても、見劣りすることはないだろう。
そして表面だけでなく中身も非常に豪華だ。
写真だとわかりにくいかと思うが、中には抹茶レアチーズクリームと抹茶ベイクドチーズケーキが入っている。
表面:抹茶のスポンジ生地
中身:抹茶チーズケーキ(レアとベイクド)
土台:抹茶のスポンジ生地
といった、抹茶づくしかつ、手が込んだスイーツになっているのだ。このあたりもパティスリーのケーキを疎遠ない。
ちなみに抹茶を使った、層が多いチーズケーキといえば、以前にもセブンイレブンにあった。
こちらはビッグサイズのチーズケーキで、抹茶のスポンジと抹茶のレアチーズを重ねた「2層仕立ての宇治抹茶ドゥーブルフロマージュ」というスイーツだ。
ビジュアルはだいぶ違うが、構成要素はとても近い。
抹茶の風味が四方八方から舞い込む
さて食べた感想について。
まず口に当たるのは、抹茶のスポンジ生地で、こちらはイメージ通りのふわふわ感。
内部のレアチーズはふわふわで、しっとりしていて食べやすい。一方で、その下にある抹茶ベイクドチーズケーキは、若干パサつく感じがあって、お世辞にもいい食感といえない。
それでも全体としては気にならないもので、何より各方面から舞い込んでくる抹茶の風味がなんとも素晴らしい。
さすがセブンイレブンのスイーツだ。美味しい。
ただし、今回のスイーツは値段との釣り合いを考えなければいけない。なんと値段は445円なのだ。
値段は445円!ついにコンビニで400円超えのスイーツが
たしかに美味しかった。しかしこの値段はどうなのだろうか。
コンビニスイーツで445円だ。サイズは1人前。ついに1人前サイズで400円を超えてしまったのだ。
これまで300円を超えるスイーツはほとんどなかった。超える場合はサイズがデカイか、もしくはピエール・エルメとコラボしたスイーツなど、何か特別なものであった。
一方で今回は300円をはるかに超えている。もはや400円も超えた。
ちなみに伊藤久右衛門は、決して高級店というわけではない。ピエール・エルメとコラボしたスイーツが高価なのは何となく理解できるが、伊藤久右衛門とのコラボだ。スイーツの口コミサイト「もぐナビ」でもやはり価格に言及している人が多かった。
ネットの口コミによると、「正月だから」という理由でこの強気な価格なのだそうだ。正月に食べるおせちが、食材の割に高価なのと同じように、チーズケーキも高価というわけなのだろう。
それにしてもケーキ屋のケーキが400円~500円なのを考えると、とんでもない値段だ。専門店の商品と同じ値段を設定しているのだから。セブンイレブンは街のケーキを潰しにかかっているのだろうか。
それでも445円のとんでもない価格で販売に踏み切ったセブンイレブンには、恐ろしさすら感じてしまう。
このスイーツがそれなりに売れてしまえば、400円超えのスイーツでも売れるという実績をつくってしまう。今後も同じ値段のスイーツが売られるようになり、いつしかそれが当たり前になってしまう。コンビニスイーツの値段がインフレ化してしまうのだ。
材料費の高騰もあるので、少しくらいの値上げは仕方ないと思っている。また今回は正月に販売されたもので、価格は例外的なものでもある。
それでも急に400円超えるというのは、もはや材料費うんぬんや、正月だからというよりは、利益率アップを狙っているのではないかと考えてしまう。
もちろん値段が上がった分、美味しければいいのだが、今回のチーズケーキに400円分の、ケーキ屋のケーキと同じくらいの、美味しさや感動、つまり価値があったとは思えない。
そもそも工場で製造してから配送しているコンビのケーキと、朝につくって店に並べているケーキ屋のケーキが同じはずがない。
コンビニスイーツは高いが当たり前になってしまわないか、少し不安だ。もちろん文句があるならば買わなければいい話なのだが。
だとしてもコンビニのスイーツは「ケーキ屋の高いケーキは買えないけど美味しいスイーツが食べたい」という人のために、手頃な値段である程度美味しいスイーツを提供する場であるべきだろう。もうその役割はスーパーマーケットのものなのだろうか。
そうかもしれない。そうかもしれないが、400円超えるコンビニスイーツに対しては、批判的な気持ちを抱かざるをえない。
と、そんなモヤモヤを抱えざるを得ないチーズケーキであった。
値段、カロリー、商品説明など
値段 | 445円 |
カロリー | 368Kcal |
製造者・販売者 | ロイヤル |
各種リンク(公式サイトやお店のSNSなど)
※各種口コミ
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