「イタリアティラミス」は5月10日にセブンイレブンから販売されました。
セブンイレブンは定期的にティラミスを販売していますが、今回は、この時にはじまった「イタリアンフェア」に伴って販売されています。
このティラミスは、徳永純司シェフが監修しています。
徳永シェフは『情熱大陸』に出演した経験や、テレビドラマの『グランメゾン東京』の監修の経験もある方です。現在は不動前にあるエキリーブル (équilibre)のオーナーを務める、有名シェフです。
多層構造で楽しくて食べやすいティラミス
このティラミスは多層構造になっています。
表面にココアパウダーがかかったマスカルポーネのクリームがどっさりのっており、その中にはコーヒースポンジが入っています。また一番下にコーヒーゼリーもあります。
やや黄色がかったクリームがあることや、またその風味から、卵を使用したカスタードクリームに近いクリームも使用しているようです。
乳製品の心地よい風味とコク、ほどよい甘味など、全体的に優しい味わいです。底に入っているコーヒーゼリーもやや甘めで、苦味はほとんど感じません。直感的に美味しいと感じられる、万人受けしそうな食べやすい味です。
わざわざ「イタリアンティラミス」という商品名をつけているので、エスプレッソを使った原点回帰的なビターな味をイメージしていたのですが、そうではなくコンビニでは一般的な、食べやすい味の美味しいティラミスでした。
ちなみに同じ時期にローソンのティラミスを販売していましたが、ティラミス的な季節なのでしょうか。
なぜ「イタリアティラミス」という不思議な商品名なのか?
この商品は「イタリアンティラミス」という不思議な名です。
何が不思議なのかというと、そもそもティラミスはイタリア生まれだとされているスイーツだからです。
つまり、そもそもそティラミスはイタリアンなのです。
そのティラミスに「イタリアン」とつけるのは、和菓子に「ジャパニーズ」とつけるようなものです。たとえば「ジャパニーズ大福」「ジャパニーズ柏餅」といった商品名で販売しているようなものなのです。それほど違和感はありませんが、普通はこんな名前は付けません。「ブリティッシュスコーン」のような、各国で色々なスタイルがある菓子は、国の名前を頭をもってくる例があります。しかしティラミスで、そのような例はみたことがありません。
では、どうして「イタリアンティラミス」という商品名なのでしょうか。
理由は2つ考えられます。1つは原点回帰・本場の的な意味でつけたか、もう1つは単純に「イタリアン」という言葉のキャッチーさを利用しただけか、です。
まず原点回帰的な意味でつけた可能性について。ティラミスが日本で本格的に流行したのは1990年代頃です。イタ飯ブームと時を同じくして、女性生活雑誌のHanakoが紹介したことでブームになったといわれています。
それから約30年。ティラミスは日本に定着し、日本で独自進化を遂げたものもあります。そういった日本で進化したティラミスは、もはや本場のティラミスとはかけ離れたものです。いわば「ジャパニーズティラミス」です。今回の「イタリアティラミス」という商品名には、ジャパナイズされてしまったティラミスを、今一度見直し、イタリアで食べられている本物のティラミスを再現しようという意味が込められているのではないか、その可能性を考えてしまいます。ただし前述のとおり、今回のティラミスは、よくあるコンビニティラミスでした。ゆえに、この可能性はなさそうです。
「イタリアンティラミス」という不思議な商品名になったもう1つの可能性は、「イタリアン」という言葉が持つキャッチーさに便乗した、です。少し前にイタリアンプリンがブームになりました。この影響もあって「イタリアン」という言葉はややホットです。ゆえにこのホットワードである「イタリアン」という言葉をティラミスにも使ったではないでしょうか。
ちなみに「イタリアンティラミス」と同時に販売された商品として「紅茶ジュレと桃のパンナコッタ」がありますが、こちらには「イタリアン」がついていません。パンナコッタもイタリア発祥なのに。
パンナコッタに「イタリアン」が付いていないのは、恐らくイタリアンをつけると商品名が長くなってしまうという単純な理由からでしょう。
ここから察するに、ティラミスは、先のパンナコッタのような「紅茶ジュレと桃の…」ような副題がつけられるような大きな特徴がなく、かといって商品名を単に「ティラミス」にしてしまうと、キャッチーさがなかった。そこで、ややホットなワードである「イタリアン」という言葉をつけた。ティラミスはイタリア発祥だとされているから「イタリアン」をつけても問題はない。そうして生まれたのが「イタリアティラミス」という不思議な商品だった。そんな気がします。
いずれにしてもイタリア発祥のティラミスに「イタリアン」とつけるのは、斬新であり、ユニークです。今後もこのようなユニークな名前の商品が販売されるのを楽しみにしています。
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以下の記事では成城石井で食べたティラミスをまとめました。
また個人的におすすめのティラミスは、代々木上原にあるアステリスクという洋菓子屋のティラミスです。革新的です。
もう1つ、半蔵門にあるティミ(TiMi)というお店のベイクドティラミスもおすすめです。焼いたティラミスという、新感覚の食べ物です。
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