グルメサイトの百名店にも選ばれ、パティスリーをまとめた本にも紹介される、東京中野区の名店「ロートンヌ中野店」。
今回はこちらで購入した、見た目も食感も味も、何もかも芸術的な2つのチーズケーキを紹介する。
ロートンヌについて(店内の様子、メニューなど)
チーズケーキの前にお店について紹介させてほしい。ちょっと長くなるのでチーズケーキの情報だけが知りたい方は読み飛ばしていただきたい。
ロートンヌ中野店は2010年10月に、新江古田駅(しんえごたえき)の近くにオープンしたケーキ屋だ。
「中野店」となっているがJR中野駅からはほど遠く、最寄り駅は都営大江戸線・新江古田駅である(駅から徒歩2分くらい)。
また西武池袋線・江古田駅(えこだえき)からだと徒歩10分くらい。小ネタだが、江古田は「えこだ」と読み、練馬区にある。新江古田は「しんえごた」と読み、中野区にある。
店が中野区にあるので「中野店」なのだろう。それにしてもJR中野駅からは徒歩40分なので、ロートンヌに行く際は、新江古田駅か江古田駅を利用するのがおすすめだ。
それにしてもなぜ「中野店」なのか。おそらく「江古田から近いわけではない、かといって新江古田店だと、いまいちわかりにくい…」そんな葛藤があり、中野区だからということで中野店にしたのではないだろうか。
前述の通りお店は新江古田駅から徒歩2分くらいの場所にあって、お店は目白通りという大通りを脇に入ってすぐの場所にある。外観は荘厳なのですぐに分かるはず。目白通りからは、厨房がのぞけるようになっている。
普段はイートインスペースがあるらしいのだが、筆者が訪問したときは感染症対策中のためテイクアウトのみとなっていた。
ロートンヌの本店は秋津に
ロートンヌ中野店は2号店で、1号店の本店は東京都東村山市の秋津(あきつ)にある(最寄り駅は新秋津駅、秋津駅、本店のGoogleマップ)。
シェフを務めるのは神田広達さんで、都内のフランス菓子店や渡仏経験もある方だ。1997年、フランス修行から帰国した後、実家が経営する「ロートンヌ」を継ぎオーナパティシエに就任した(cotta プロの仕事 神田広達/Koutatsu Kanda)。
インスタグラムには、モンサンクレールの辻さんやシェ・シバタの柴田さんなどと一緒に写っている写真があった。有名店のシェフと交流がある方なのだろう。
また神田シェフは菓子作りを指南した本も出版している。
そんな神田シェフが2010年にオープンしたのが中野店になる。他にも焼菓子のみの販売であるが、立川の伊勢丹にも出店している。
ジャンルに取らわれず食べたい菓子をつくるお店
ちなみにロートンヌはフランス菓子に限定せず、洋菓子というトータルな菓子店として商品を開発をしているという。
もちろんフランス菓子がベースではあるが、「自分が食べておいしいと思うもの、食べてもらいたいものを提供し、自己表現したい」とインタビューで神田シェフは語っている(cotta 長いキャリアで培った、お菓子のテクニックとプロデュース力)。
たしかにロートンヌには、見た目が華やかなパティスリーらしいケーキから、ショートケーキ、ロールケーキ、チーズケーキといった大衆よりのケーキ、そしてバームクーヘン、フィナンシェ、マドレーヌといった焼菓子まで、幅広いタイプのケーキが並んでいる。
そのラインナップはお店の公式インスタグラムアカウントで紹介されているので、ぜひみてほしい(お店のインスタグラム)。
メディアでも紹介される人気のお店
ロートンヌ中野店は食べログの百名店に選出されている。百名店とはその年の話題の100店を選出したもので、ラーメンやカレー、うどんなど色々な部門が設けられている。ロートンヌ中野店はそのスイーツ部門で、2020年に選出されている(食べログのスイーツ百名店、スイーツ部門はこちら)。
また柴田書店が2017年に出版した「トーキョー・パティスリー・ガイド」という、東京のパティスリーを102店厳選した本にも紹介されている。
本書によればロートンヌは、「食感から生まれる香りの要素」を大切にしているお店だという。また新作にも積極的で、新作においては季節にとらわれず、自分が食べたい菓子を素直につくるのだそうだ。
たしかにロートンヌには「気まぐれシェフのケーキ」という、その名の通りシェフが気まぐれでつくったというケーキが置いてあった。色々なケーキ屋をまわったが、シェフの気まぐれケーキが置いてあるのはそう多くはない。
そういったゆるい感じの商品は、購入する側にとってもシェフの人がらがわかるような気がするのでいいものだ。今日はどんな気まぐれケーキがあるのかとワクワクしながら訪問できる。
【実食レポ】フロマージュ・クリュ(486円)
今回はフロマージュ・クリュとアテネの2つのケーキを購入した。まずはフロマージュ・クリュから紹介する。
とてもオシャレなレアチーズケーキ
フロマージュ・クリュ(fromage cru)の「クリュ」は「生の」という意味があって、パティスリーのレアチーズには「フロマージュ・クリュ」という名前がつけられることがある。つまりジャンルとしてはレアチーズケーキになる。
水玉模様をあしらった凝った装飾にはつい見とれてしまう。メニューの解説は以下の通り。
やわらかいチーズクリームにパイナップルを合わせたお菓子です。アクセントに塩を使用しています。
店頭メニュー
食べるまでわからないが、なかにはパイナップルがはいっている。また外側を覆っている白い生地はとてもなめらかでクリームのようだ。
口当たりは、ムースのようなふわっとしたキメのこまかい。お店のメニューの説明のとおり、塩気があるのだが、たしかにいいアクセントになっている。
中にはカットされたパイナップルが入っている。
チーズケーキと組み合わせられるフルーツといえば、ストロベリーやラズベリー、ブルーベリーといったベリー系が一般的だ。パイナップルを組み合わせるというのはこれまでになかったように思う。
しかもトッピングとして添えれているのではなく、チーズケーキのなかにはいっている。驚かされる。
そして、さすが一流のパティスリーとも言うべきか、ジェノワーズ(スポンジ生地)がとても美味しい。おそらくシロップを染み込ませているのだろう。じゅわっと甘さが染み出す。そればかりでなく風味も、舌ざわりも素晴らしくよくて、このジェノワーズだけで食べてみたい。
見た目も、味も、食感も、1つ1つのレベルが高い。さすが有名店だ。
【実食レポ】アテネ(540円 レアチーズ)
こちらはアテネというケーキ。これまたビジュアルにこだわった一品でり、このようなチーズケーキは初めてみた。
商品説明は以下の通り。
フランス産チーズを使用したなめらか濃厚チーズケーキ。ぜひ、生クリームとサブレを一緒にお召し上がりください。
公式サイト
表面の棒状のものはサブレで、その他、表面にはクランブルもある。その下にはホイップクリームと濃厚なチーズケーキだ。
棒状のサブレはサクサクで、このまま食べても十分に美味しい。
めちゃくちゃ濃厚なチーズケーキ
下のチーズケーキ(クリーム色の層)は、カスタードクリームのようにトロトロなのだが、舌にのせた瞬間、ガツンとチーズの風味が舞い込む。
とても。
とても濃厚で、これまで食べてきたチーズケーキとは圧倒的に違っている。本当にチーズケーキなの?と思ってしまうほどの濃厚さだ。
風味が強いので、クリームチーズだけではなく、熟成系のチーズも混ぜているのだろう。でなければここまでパンチの効いた味はだせない。
そしてサクサク、ザクザク、トロトロ、フワフワなど、色々な食感が一気に口のなかに舞い込み、楽しい。
さすが名店と呼ばれているだけある。見た目、味、音、どれも抜かりがない。こういったケーキを食べると、パティシエという仕事がたんなるケーキづくりではなく、芸術的仕事であることをつくづく思い知らされる。
各種リンク(公式サイトやお店のSNSなど)
新江古田周辺のケーキ屋
- パティスリー・プラネッツ 江古田店(江古田駅 マップ|食べログ)
- パティスリーアンデルセン(江古田駅徒歩3分 マップ|食べログ)
- 洋菓子 バトー Bateau(江古田駅 公式|マップ|食べログ)
- トロワブリジェ(新江古田駅 |マップ|食べログ)
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