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【PAUL】タルトフロマージュブランとショコラタルトレット|1889年フランス創業のベーカリーで買えるフロマージュブランを使ったチーズケーキ

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1889年にフランスのリールという都市で創業し、1991年にフランスから名古屋に上陸したベーカリーの「PAUL」。収量が少ない上質な小麦粉と、創業から変わらないレシピを守り続け、2001年に東京に進出した時には、フランスパンブームを起こした店の1つとして知られる店です。

今回はこのPAULが本場のパンと一緒に販売している焼き菓子の「タルトフロマージュブラン」というチーズケーキと「ショコラタルトレット」というチョコレートを使ったタルトについて紹介します。

タルトフロマージュブラン(フロマージュブランを使ったベイクドチーズタルト)

タルトフロマージュブランという聞き慣れないタイプのケーキです。

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

見た目は普通のベイクドチーズタルトという感じです。

店舗の説明には「フレッシュチーズを使用したあっさりしたチーズケーキ」と書いてあります。

フロマージュブランを使ったフランスのチーズケーキ

補足すると、フロマージュブランはフランスあたりで一般的なフレッシュチーズです。「白いチーズ」を意味する名前で、クリームチーズに近いものですが、クリームチーズよりさっぱりした味だといいます。日本では一般的ではないで簡単に買えるものではありませんが、パティスリーではよく使用しているケーキを見つけます。

PAULのタルトフロマージュブラン (14)
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フランスの菓子を総合的に紹介『フランス菓子図鑑』には、フロマージュブランを使ったケーキとして「ガトー・オ・フロマージュ・ブラン」が紹介されているのですが、その詳細説明では、アルザス地方では「タルト・オ・フロマージュ・ブラン」と呼ばれると書かれています。またドイツのケーゼクーヘンが国境越えてフランスのアルザス地方に伝わったものだそうです。

そもそもクリームチーズはアメリカ生まれであり、クリームチーズをベースにした現在みられるようなチーズケーキもアメリカ生まれです。

PAULはフランスで生まれた伝統あるベーカリーです。ゆえにフランスでみられるフロマージュブランを使ったチーズケーキを販売しているということなのでしょう。

パイのような生地を土台に

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

タルトという商品名ですが、日本におけるクッキーに近いいわゆるタルト生地ではなく、パイ生地のようになっています。

ふわふわした心地よい食感のチーズケーキ

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

パン屋のチーズケーキなので、焼き菓子タイプのねっとりしたチーズケーキを想像していたが、全然違いました。

生地はスフレのようにふわふわしており、軽くて心地よい口当たりです。厳密にいえばスフレではなく、めちゃくちゃふわふわなエッグタルトという感じで、とにかくこれまでに味わったことがない、やわらかい魅惑的な食感です。

PAULのタルトフロマージュブラン (14)

味もややエッグタルトに近いものがあって、卵のまろやかさを感じます。またフロマージュブランの特徴なのか、クリームチーズベースのチーズケーキにはないような、やわらかい酸味と独特な乳味があります。

これまで色々なお店のチーズケーキを食べてきましたが、どの店のチーズケーキとも違う独特な味、風味を感じました。

希少な小麦粉を使い、伝統のレシピを100年以上も守るPAULのことなので、このチーズケーキにつかうフロマージュブランや卵にもかなりこだわっているはずです。フロマージュブランは本場フランスから取り寄せている可能性も十分にあります。もしかしたら正真正銘の本場フランスのタルトフロマージュブランの可能性があります。ならば食べないわけにはいかない一品である。

タルトレットショコラ

今回もう1つタルトレットショコラを食べました。

PAULのタルトレットショコラ (1)

こちらは日本でも見られるクッキーのようなザクザクしたタルト生地を使ったタルトです。そのタルトにたっぷりチョコレートを流し込んだ贅沢な一品です。

タルト・ショコラはパティスリーやショコラトリー、ベーカリーでもよく見られるものですが、筆者は初めて食べます。そしてもちろん美味しいです。

タルト生地はザクザクで歯ごたえも味、風味も最高です。チョコレートの部分はしっかりコクがありながらほどよい甘味があり、またフルーティーさもあって深みを感じます。初めてだったので、あまりよくわかりませんが、とにかくひたすら美味しいタルトでした。

PAULの歴史やお店の特徴について

最後にPAULについて、その歴史やお店の特徴を紹介します。

PAUL(ポール)は現在、日本に約20店を出店するベーカリーです。店舗のほとんどが東京にあり、また駅の改札内や駅ビルなど、駅からかなり近い場所に立地しています。

上質な小麦粉にこだわったフランス生まれのベーカリー

PAULは1889年にフランスのリールという都市で、シャルマーニュ・マイヨという人とその妻が創業したベーカリーです。1953年には4代目のフランシス・オルデルが店を買い取ります。

なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(阿古真里)には、PAULの日本での展開の様子が紹介されています。同書によれば、前述の4代目フランシスは収量が少ない上質な小麦粉を復活させ、生産者と直接契約することで、供給体制を整え、独自の上質な小麦粉を使うことにこだわったそうです。

フランスパンブームの火付け役にもなったPAUL

PAULが日本にオープンしたのは1991年で1号店は名古屋松坂屋です。その運営を手伝ったのはパスコで知られる敷島製パンで、フランスから厨房機器や備品などを輸入して、本場の味を再現することや、店舗デザインにこだわりました。

東京に進出したのは2001年。東京に進出するにあたっては、当時はまだ日本で馴染みがなかった皮の固い本格的なパンを販売しました。同じ年の2001年に、同じくフランス系のベーカリーであるメゾンカイザーがオープンしたこともあり、PAULとメゾンカイザーはメディアに盛んに取り上げられ、日本では本場の味・食感を再現したフランスパンが流行しました。PAULはその火付け役となったのです。今でもしぶとく続いているパンブームに、PAULは少なからず影響を与えているといえます。

近現代の日本におけるパンの普及の様子は『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(阿古真里)に詳しく紹介されています。

現在PAULは日本とフランスだけでなく、ロンドンやワシントン、ドバイなど33以上の国に出店しています。

その店舗は、日本のパン屋で一般的なセルフ式ではなく、対面式で1つ1つ注文していくスタイルです。本場フランスのベーカリーというだけあり、固くて食べごたえがありそうなパンがズラッとならびます。

黒を基調にした上品な店舗デザインも相まって「一度は食べてみたい!」と思わせる魅力的なパンばかりでした。商品のラインナップは公式Instagramなどで見られますが、近くに店舗がある方はぜひ一度、実際に訪れてみてください。

ちなみに、一部店舗にはサロンと呼ばれるレストランを併設しています。筆者が今回利用した四谷アトレ内にある店舗もサロンを併設していました。

公式サイトやお店のSNS

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