※生菓子の販売が終了している場合がありますのでご注意ください
三越や高島屋など、日本全国のデパ地下に店舗を持っており、チョコレートを使った菓子や焼き菓子で有名なロイスダール。
本店が中野区にあるのだが、こちらではデパートに入っている店舗にはない、本店だけの(多分…)生洋菓子やパンがある。今回は、おそらくロイスダールの中野本店限定のチーズケーキを紹介する。
ロイスダールについて(店内の様子、メニューなど)
まずはロイスダールがどんなお店なのかについて紹介する。
冒頭でも紹介した通り、ロイスダールは百貨店やショッピングモールなどの商業施設を中心に出店している洋菓子屋である。
ロイスダールのような、商業施設を中心に出店している菓子屋を当ブログでは「デパ地下系洋菓子屋」と呼ぶことにしている。たとえばモロゾフやユーハイム、資生堂パーラーなども、その店舗のほとんどが百貨店のような商業施設にあるので、デパ地下系洋菓子屋と呼んでいる。そんなデパ地下系洋菓子屋が販売しているチーズケーキについても、当ブログではまとめている(デパ地下系洋菓子屋のチーズケーキまとめ)。
そしてロイスダールもデパ地下系洋菓子屋だといえる。ロイスダールは現在、関東を中心に約60店舗、さらに香港にも1店舗出店している。そのほとんどが三越や伊勢丹などのデパートに入店しており、れっきとしたデパ地下系洋菓子屋だといえる。ただし、冒頭でも紹介した通り、チーズケーキはデパ地下の店舗にはない。
ロイスダールの本店は中野区(新井薬師前駅)に
ロイスダールの本店は中野区にある。「ロイスダール中野本店」という表記になっているが、最寄駅は新井薬師前駅(西武新宿線)である。JR中野駅からだと徒歩20分かかるので、店舗を訪問するときは注意してほしい。
全国に60店も出しているお店であるが、本店の建物や内観は、よくある街のケーキ屋とそれほどかわらない。あまりに普通のケーキ屋だったので、有名なロイスダールとは別のロイスダールなのかと思っていたほどだ。
工場は別の場所にあるようなので、デパ地下でみられる焼き菓子などはそちらで製造しているようだ。
中野本店はケーキやパン、レストランがある数少ない店舗である。数少ないというよりは、中野本店だけかもしれない。
本店にはデパートの店舗と同じく焼き菓子やチョコレートバーが販売されている。その他、前述の通りパンやケーキも。
レストランでは、ビーフシチューやクレープ包みクロケットといったメニューがある他、ケーキとお茶ができる(本店レストランの食べログ、メニューの写真がある)。
ちなみに余談ではあるが、ロイスダール本店がある中野通りには、有名な「パティスリーレザネフォール中野店」もある。ロイスダール本店から徒歩5分くらいの距離だろうか。こちらのチーズケーキも美味しいのでぜひ訪問してみてほしい。
ロイスダールが創業したのは1923年
ロイスダールは実はかなりの老舗である。ロイスダールの前身であるサンライズ製菓が創業したのは1923年。大正12年のことだ。
その後、1929年にメトロ製菓に改称。1931年には日本初のチョコレートバーの製造を開始した。当時は宮内庁にもチョコレートバーを納入していたという(チョコレート自体は、1878年に両国若松風月堂が販売している)。
途中、戦火によって工場を失うもののなんとか立て直し営業を再開。1972年には、デパート出店の販売会社として「ロイスダール」が設立された。中野に本店を移したのは1984年である。
中野本店の歴史はそれほど古くはないが、ロイスダール自体は大正時代から存続している老舗である。
【食べた感想】スフレフロマージュ(400円)
こちらがロイスダール本店のスフレフロマージュ。
お店の解説は以下の通り。
フランス産のクリームチーズを贅沢に使用し、蒸し焼きにした濃厚な口溶けのお王道チーズケーキです。
蒸し焼きにしたスフレタイプのチーズケーキ。説明書きでは「王道のチーズケーキ」としている、見た目も食感も普通とは違うように思われる。
自重で潰れそうなほどどっしりしたスフレ
スフレといいつつ、材料を贅沢に使ったバスクチーズケーキくらいどっしりしている。写真だとわかりにくいかもしれないが、自重で潰れそうになっている。常温になるまで放置したら、さらにやわらかくなって潰れてしまうのではないだろうか。
また生地のトロトロ感もすごいもので、いうなれば半熟スフレチーズケーキのような状態になっている。
スフレといえば、薄力粉も多めに使用することが多く、またメレンゲを使うので、スポンジケーキに近い質感になるものだ。たとえば、以下は他店のスフレチーズケーキである。
しっかり自立し、断面化からは気泡がみてとれる。また質感もふわふわ、もふもふしており、スポンジケーキに近い。
一方でロイスダールのスフレは、カスタードクリームのような、バスク風チーズケーキのような質感なのだ。もはやクリームチーズを使ったカスタードクリームでもいいのではないだろうか。
超濃厚で、食べごたえのあるスフレチーズケーキ
見た目は良いとはえないが、味は美味しい。
何より濃厚でとても、とても食べごたえがある。チーズケーキスフレは、ふわふわした食感を楽しめるのだが、一方でチーズのコクや風味が弱くなってしまうことが多々ある。
しかしロイスダールのスフレフロマージュは真逆だ。つまり、スフレ感は弱いが、チーズの風味やコクは非常に強いのだ。とても濃厚であり、とても食べごたえがある。スフレなのに。
ちなみに鎧塚俊彦が運営するお店「トシ・ヨロイヅカ」で食べたケーゼというチーズケーキも、近い質感であった。一見スフレにみえるのに、食べると濃厚で、トロトロの質感を楽しめる。
ロイスダール本店で販売されている他のケーキ、たとえばモンブランやチョコレート系のケーキは、他店でもよくみるような形、ラインナップだったので、保守的なケーキ屋なのかと思っていた(悪いことではない)。
一方でこのスフレフロマージュは、かなり攻めたケーキである。食べているうちに崩れてしまう、自立するのがやっと、というギリギリのやわらかさのケーキなのだから。
【食べた感想】レアチーズケーキ(440円)
続いてはロイスダールのレアチーズケーキ。
長方形で、表面にトッピングをあしらったレアチーズケーキだ。土台にはビスケット生地があるという。
こういった長方形タイプのレアチーズケーキは、度々見かける。
控えめで優しい味のレアチーズケーキ
表面にトッピングしてあるのは、シロップ漬けにしたレモンの皮だと思う。こちらはそれほど苦味はなく、甘くて、コリッという独特の食感がある。
レアチーズ部分はムースのような、しっとりやわらかい質感である。どちらかといえば甘さ控えめで、優しい味だ。またクッキー生地はザクザクで、食感はいい。
目新しさや驚きはないものの、食感も味も風味も良い、美味しいレアチーズケーキである。優しくて控えめなチーズケーキが食べたいなら先のスフレよりも、こちらのレアチーズケーキをおすすめしたい。
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